敏感の彼方に

HSPエンジニアがお送りする、前のめりブローグ

【HSS型HSPの仕事】人間関係苦手/でも/刺激必要/で/辿り着いた働き方

 

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大学受験の際、医師 or 原子力エンジニア or 航空機エンジニアという割りとマイナーで冒険的ながら刺激的なコースを志望したのは、今から振り返ってみると、HSS(High Sensation Seeking)の片鱗だったのかもしれません。

 

HSS型HSP とは?

まず、HSP(Highly Sensitive Person)とは、今さら説明することでもないでしょうが、繊細で、ちょっとしたことにもすぐ動揺してしまい、何となく生きづらいと感じている人が比較的多く当てはまります。病名ではなく、感受性が生まれつき強くて、ちょっとした環境の変化や他人の気持ちにとても敏感なため、五感の強い刺激や他人とのコミュニケーションに圧倒され、すぐに疲れてしまうタイプの人を表す心理学用語です。

 

HSP の提唱者である米国の心理学者 Elaine N. Aron 氏(アーロン博士)のホームページにて、HSP であるか否かを診断できます。

 

簡単な 48個の質問に答えるだけの自己診断テストなんかもありますね。

 

⇒ 「HSP診断テスト

 

アーロン博士によれば、全人口の 15~20%、つまり5~6人に1人が HSP ということですので、「マイノリティ」というほど少ないわけではありません。

 

HSPは、環境の変化にとても敏感です。つまり、アンテナが高くて、危険を察知する能力に優れていることが多いのです。集団に迫る危機をいち早く察知する役目を持つとも言われています。ただし、内向的でもあるため、組織のリーダーよりは、参謀役として力を発揮するタイプが多いようです。

 

そんな HSP の中に、「HSS型」というものがあります。High Sensation Seeking の略語ですが、より強い刺激を求めて外に飛び出す傾向から、外向的に見える行動派タイプのことです。こちらも、アーロン博士による診断(↓)を利用可能ですが、このタイプは、HSP の中の 30%を占めると言われており、全人口に対しては5~6%です。およそ 20人に1人ですから、十分に「マイノリティ」と言えそうです。

hspjk.life.coocan.jp

 

HSS型の人は、初対面の人とでも積極的に(どちらかといえば主導的に)話し込む上、次々に話題が飛ぶかと思いきや、いきなり結論に達する、というような話し方に特徴があるとも言われています。会話の中ではなく、頭の中で思い付いたことを処理してしまうため、周りの人から見ると、考えが飛躍し過ぎているように見えるんですね。

 

ボクは残念ながら(?)、アーロン博士の診断にも、話し方の特徴にも、ズバリ当てはまってしまいます。

 

 

 

HSS型HSP としての生きづらさ

やはり基本的に、人と交わるのは苦手です。他人が自分の中に同居してしまうので、嬉しいことも悲しいことも辛いことも全部、何人分もの感情が心にへばりついて、ものすごく疲れます。なので自己防衛的に、他人との交流を避ける傾向があります。人脈をあまり大事にしようとしない自分自身にも気付いてしまっています。愚かなことだと頭では分かっているのですが、自然とその方向に向かってしまいます。

 

一方で、初対面の人との会話も、まったく苦じゃないです。いくらでも話題を出せますので、同じ人と長時間話し続けることも可能です。アルコールが入れば、気の合う人と一晩中話し込むこともありました(今は疲れるので、そこまでしません ('ω') )。

 

人と積極的に交わろうとはしないのに、会ってしまえば、途切れることなく会話し続ける自分を「なんか変だな」と感じつつ、やっぱり周りから見て変わった人間だと思いますし、ツマにも間違いなく変人だと思われています。そんな変人と結婚したツマも、ボクから見たら変人ですが・・・。

 

HSS らしさは行動にも現れて、昔から、国内外を問わず、冒険的に旅をするのが大好きです。20代の頃は、東南アジアや南アメリカをリュック1つで放浪していたこともありますし、学生の頃は、借金してカナダまでスキーに行きました。最近の子連れ登山でも、危険をどこかで楽しんでいる面があります。

 

このようにすごく行動的かと思いきや、フリーランサーとして仕事する場合など、1週間以上、自宅にこもって黙々と作業することも苦になりません。人との会話や交流がなくても、それはそれで平気なわけです。

 

また、理系の人間なのに、理屈よりも直感を信じたい気持ちがものすごく強くあります。おそらく、直感に頼る方が刺激的なので、HSS の特性が色濃く出ているのだと思います。ギャンブルには向いていないでしょうね(若い頃はよくやりましたけどね)。

 

外向的なのか内向的なのか、人間が好きなのかそうでもないのか、理屈を信じるのか直感を信じるのか、自分でもどこに軸足があるのかさっぱり分からず、一方で意味もなく人脈をリセットしようとしている自分がいて、何がしたいのかを自分自身でも理解できず、途方にくれることもしばしば。ひと言で表すなら、毎日何となく「生きづらいなぁ」という感じです。

 

HSS型HSP の学生生活

医師 or 原子力エンジニア or 航空機エンジニアを志望しながらも、気付いてみたら、電気・電子・情報・通信系の学科へと無難に進学していました。幸い勉強することは苦じゃなかったのですが、大学という「ハコ」の中にいる自分を客観的に見てしまい、それが嫌で嫌で、授業には身が入りませんでしたね。

 

遊んだりバイトしたりの日々でしたが、それにも飽きて、「中退」の2文字が脳裏をよぎることもありましたが、ここでも HSS らしさが出て、大学1年の7月に、他部員から遅れて体育会系の部活に入部しました。結局、大学の敷地外で活動するこの部活にドはまりして、この部活のおかげで、大学を辞めずに済んだと思っています。インカレにも出場できましたし、HSS型としての行動力に辛うじて支えられた4年間でした。

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部活で失った4年間を取り戻すために大学院に進み、勉強もそこそこに海外や国内を放浪した後、これも気付いたら、航空機エンジニアとしての職に内定していました。

 

HSS型HSP のサラリーマン生活

当初の希望を叶え、望み通りのライフコースに進めたのは、ただただ運が良かっただけです。その幸運を無駄にすることなく、あとは目いっぱい働くだけと、勇んで入社したものの、ここでも HSP の気質が行く手を阻むことになりました。

 

まず、社内の派閥や政治力学ですね。大きな会社なら普通にあることですが、これに加えて無駄に高いアンテナを持っていたため、入社当初から、技術的なことよりも人間関係などが気になって気になって仕方ありませんでした。最大派閥のボスと話をすると、そのボスの感情が自分の中に住み着きます。一方、弱小派閥で冷や飯を食わされている人たちの悲哀に接すると、それが自分の中に同居します。すぐに、自分の軸足を見失いました。HSS型なので、どの派閥の人ともすぐに懇意になれるけれど、HSP なので、ありとあらゆる他人の感情が心の中で渦巻いて整理できなくなり、自滅していく日々。

 

大きな企業なので、仕事を下請け会社に出すことも多かったのですが、これも苦労しました。納期が厳しい場合には、心を鬼にして下請け会社の担当者に接し、何とか納期を死守してもらう必要があるのですが、相手の感情を呑み込んでしまう HSP に、そんなことが易々とできるはずもありません。担当者が精神に不調を来たしそうになった時、ボクは間違いなく下請け会社の立場になって、会社の上司に立てついていました。

 

他人の感情をすくい上げてしまう HSP として、このように板挟み的な立場で働くのは無理があるし、やがて中間管理職になっても、組織の進む方向に歩調を合わせることは難しいんじゃないかと1年ほど考えて、入社から数年後、結論を出すことにしました。

 

 

 

HSS型HSP の適職:「働き方を変える」という発想

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人間関係に問題がある以上、「業種」ではなく「働き方」を重視せざるを得ません。つまり、好きな業界に入っても、人間関係で自滅してしまっては意味がないわけで、残念ながら HSS型HSP にサラリーマンは向いていない、という結論に達しました。

 

そこで出した1つの答えが「フリーランス」です。

 

基本的には、板挟みになることも、派閥争いに巻き込まれることもありません。一方で、HSS として、仕事を獲得するための「行動」には問題ないとの判断です。

※ 当時は、自分が HSS型HSP であろうなどとは全く想像もしていませんでしたが、「人間嫌いの行動派」という自分の性質みたいなものは、だいたい把握できていたと思います。

 

その結果、航空機関連の開発、ハード/ソフトの技術コンサルティングや技術動向の調査、プランニング、翻訳などの仕事に十数年の経験を重ねることができました。サラリーマンからフリーランスへと「働き方」を変えることで、これらすべての仕事が「適職」と言えるようになりました。HSS型HSP として生きづらさを感じる人は、職業や職種ではなく、「働き方」にヒントがあるのかもしれません。

 

小学校から大学まで、すべて異なるスポーツの部活に所属したのも、飽きっぽいというよりは、常に新たな刺激を追求する HSS としての気質が如実に現れた結果だと思いますが、フリーランスとしての仕事も、規模の大きな航空機から、ナノレベルの半導体に至るまで、さまざまな技術分野に対してさまざまな関わり方ができており、いわゆる「複業」的な働き方によって、HSS の刺激欲が十分に満たされます。

 

それ以上に、家族を抱えながら、明日には仕事が尽きるかもしれないというフリーランスのシビれるような状況が、一番の刺激になっているような気もしますし、「食べていけるか否か」という生死の境を追い求めた結果が、今につながっているのかもしれません。

 

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さいごに

サラリーマンが向かない HSS型HSP にとって、何のしがらみもないフリーランスという働き方は天職なんだろうと実感していますが、同じ HSS型HSP でも、性格や環境によって向き不向きがあるでしょうから、必ずしもすべての HSS型HSP にフリーランスが向いているとは言えないと思います。

 

外向的に見えるのに人付き合いが異常に苦手な HSS型HSP は、およそ 20人に1人の「マイノリティ」ですから、その生き様はなかなか理解されず、日々「生きづらい」と思っている人も少なからずいることでしょう。ボクも、なぜそんな生き方をしているのかと、不思議がられることが多々あります。

 

上に書いたようなことを割りとすんなり受け入れられる人は、HSS型HSP の可能性が高いんじゃないかと思います。ご愁傷様です。この記事が参考になるかどうかは分かりませんが、きっと落ち着く生き方が見つかるはずと信じて、持ち前の好奇心と行動力でいろんな世界に乗り込んでみてはいかがでしょうか。

 

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