敏感の彼方に

HSPエンジニアがお送りする、前のめりブローグ

塾なし高校受験【完結編】偏差値 65 合格で見えたメリット・デメリット

 

f:id:nezujiro:20190620155230j:plain

 

 

 

さてさて、塾なしで偏差値 70 の公立高校に挑戦する中3のムスメAの様子を9ヵ月にわたって実況中継してきたわけですが、今回がついに完結編となります。

 

第2志望の公立高校に合格🌸

第1志望のS高校(偏差値 70)は既報のとおり、残念ながら不合格となりましたが、その後に受けた第2志望のSG高校(偏差値 65)は、合格を勝ち取ることができました!

 

第1志望に全身全霊を尽くして挑んだため、それが不合格となった 10 日後の第2志望の受験は、モチベーションをかなり心配していましたが、何とか乗り越えられたようです。本人はやる気を見せてはいましたが、まだ中学生ですからね。気持ちを整理して再び机に向かうのは、それはそれは大変なことだったろうと想像します。

 

内申点が 195 点満点、当日の学力検査が 200 点満点(各教科 40点満点)、合計 395 点満点のうち、例年の合格者の点数は、300~330 点あたりに分布していると考えられます。

 

これに対して、ムスメAは、内申点が 181 点、学力検査が 140 点(国語32点、数学22点、理科18点、社会32点、英語36点)、合計 321 点という結果でした。

 

文系3科目は、緊張する本番でも、実力をほぼ出し切れたようです。一方の理系2科目は、理解はできているのですが、どうしても本番で力を出し切れません(今年は、少し難しかったようですけどね)。知識が十分に体系化されていなかったり、場数が足りていなかったり、受験の疲れがあったり、複合的な要因が考えられますが、この辺は大学受験までの課題ということになります。

 

いずれにしろ、プレッシャーをはねのけて自分の力で合格を手繰り寄せる、という素晴らしい経験を積むことができました。メデタシめでたし。

 

偏差値 67 の私立高校にも合格していますが、入学後の学習環境や学校の雰囲気、授業料などを考慮して、最後に合格した公立SG高校に進学することにしました。

 

「塾なし高校受験」の総合結果

結局、公立高校×2+私立高校×2=合計4校を受験したわけですが、すべての結果を時系列順にまとめると、以下のようになります。

  • 私立KS高校(偏差値 67)= 合格
  • 私立R高校 (偏差値 70)= 不合格
  • 公立S高校 (偏差値 70)= 不合格
  • 公立SG高校(偏差値 65)= 合格

 

本命のS高校を逃して1勝2敗で迎えた最後のSG高校受験は、合格なら2勝2敗、不合格なら1勝3敗になる、という苛烈な状況でした。高校受験を2勝2敗で終わるか、1勝3敗で終わるかは、その後の学習意欲や自信に少なからず影響するでしょうから、最後に勝って終われたことは、本当に良かったと思います。

 

この結果から明らかなように、ムスメAの場合は、偏差値65と70の間に高い壁がある、ということがよく分かります。この、いわゆる「地頭」の差を努力と効率で埋めようと試みたわけですが、あと一歩届きませんでした。

 

ムスメAは、自分で詳細計画を立て、やるべきことを黙々とこなしつつ、かなりの努力を自主的に重ねてきましたが、「地頭ふつうの子」が、「塾なし」で、「中3の夏から本格的に受験勉強を開始」して入れる高校は、偏差値65以上70未満が限界かな、とボクは感じています(もちろん、地域差などはあるでしょう)。

 

受験勉強の総括

塾なし 受験 自宅 勉強 学習 合格

 

本命の公立S高校と本番慣れを兼ねて受験した私立R高校は、いずれも偏差値 70 前後で合格は叶わなかったわけですが、それぞれについて、受験勉強を総括します。

 

公立S高校の受験勉強

まず、社会については、定期テストの貯金の上に、足りていない知識をコツコツと暗記していくことで、本番までに十分間に合いました。理科についても、難解な計算問題はさておき、暗記項目を中心に基本的な計算問題さえクリアしておけば、十分に合格点に達します。ただし、理科は問題文が長く設問数も多いため、「捨て問」の見極めが重要になります。その見極めができる程度に、いろんな問題に慣れておく必要があります。

 

そして、やはり点差が開くのは、国語・数学・英語の主要3教科でした。結論から言えば、理数系の得手不得手に関わらず、自学しやすい古文と英語を早めに進めておくことで時間的余裕が生まれ、数学も好結果に導きやすいのでは、と考えます。

 

[国語]

現代文は論説文(説明文)しか出題されませんでしたが、論説文については、筆者の主張(抽象的部分)と補足説明(具体的部分)の切り分け、指示語や接続語の抜き出しなど、一般的な方法論を習得して練習しておけば、十分に対応できることが分かりました。

www.overthesensitivity.com

 

一方の古文は、中学校では「楽しむ・たしなむ」ことが中心になっており、受験に役立つ頻出古語や文法の知識、主語を意識するような読み方などは習っていない、ということを、模試真っ盛りの秋ごろに初めて知り(!)、それから焦って、基本から仕上げる羽目になりました。本番前にかなり読めるようにはなりましたが、十分に慣れたかと言われると自信がありません。そういうわけで、古文については、早めに受験勉強を開始して十分に慣れておく必要があると感じています。

 

[数学]

数学は、苦手ながらに善戦しましたが、あと1~2問は上乗せが必要でした。SG高校(偏差値 65)の受験時も同じですが、「理解はできているのに焦って実力を出し切れない」ということが、その1~2問の結果となって表れています。理数系が苦手なほど、「焦る → ミスする → 時間が無くなる → さらに焦る」という悪循環に陥ります。これを克服するには、やはり演習を重ねるしかないと思います。

 

夏休みに中3数学の先取り学習を行いましたが、その後11月ごろまで、英語に苦戦して数学の演習時間を十分に確保できなかったことが最後まで影響したように感じます。逆に考えると、英語に早くから慣れておきさえすれば、数学により多くの時間を使えますので、理数系が苦手でも、それほど苦労なく合格点を目指せそうです。

 

[英語]

結局、一番苦労した割りに点数に結び付かなかったのは、英語です。S高校の入試では、2000ワードにも及ぶ超長文が2題出題されますが、これに慣れてそれなりに解答できるようになったのは、本番の1~2ヵ月前です。その分、リスニングに十分な勉強時間を当てられず、本番でもリスニングが足を引っ張る結果となったようです。

 

リスニングは、ただ聞き流すだけでは効率が悪く、上達に時間が掛かります。耳に聞こえた通りに自分の口で発する練習をすれば、ただ聞き流すよりも短時間で聞き取れるようになります。つまり、スピーキングの練習がリスニングにも好影響を及ぼします。リスニング原稿を見ながらで良いので、カッコよく発音する練習を繰り返すのがコツです。

 

結果は伴いませんでしたが、以上のような勉強のコツを身に付けられたのは大きいですね。高校では、英検などを活用しながら、先取り学習を進めていくことになるでしょう。

 

私立R高校の受験勉強

本番の練習のつもりで受けましたが、公立とは異なるタイプの問題もあり、苦労しました。大人の目線では、S高校よりも問題自体は簡単なので、意外に合格できるんじゃないかと目論んでいましたが、中学生には頭の切り替えの負担も小さくなかったようです。なので、受けなくても良かったかな、とも思います。結果論ですけどね。

 

国語は、論説文のほかに物語文も出題されますが、読書好きなムスメAにとっては、特別な勉強をせずとも、物語文はそれほど負担にならなかったようです。

 

数学も、S高校の受験勉強の延長線上で解けるものが多く、特別な対策をしたわけではありません。ただし、因数分解で公立には出ないタイプが出題されたり、中学入試のような閃きタイプの問題が出題されたりして、そういった問題への対応も、理数系が苦手なムスメAにとっては少々負担となったかもしれません。

 

英語は、中学校で習わない単語や熟語が注釈なく出てきますので、慣れるのに一番苦労しました。英語に限っては、上に書いたのと同様に、やはり早め早めの対策が必要です。

 

同じ併願でも、私立R高校を第1志望に考えている受験生との競争になると、偏差値 70 前後の問題にある程度の余裕を持って対処できるレベルでなければ、とても太刀打ちできません。オールマイティタイプでないのなら、あれもこれも手を出すのは、それだけ負担も大きくなり、リスク低減効果よりも、逆にリスクが高くなってしまう印象です。

 

「塾なし高校受験」のメリット

以上のような結果となったムスメAの高校受験ですが、「塾なし」には、こんなメリットを感じています。

  • PDCA を自分で回せるようになった
  • 自主的に机に向かい、結果を自ら受け入れることで、メンタルが強靭になった
  • 100%自分向けの学習ができた(効率よく学習できた)
  • 念願のS高校に挑戦できた(大手塾なら、ランク下げを余儀なくされた可能性大)
  • その結果、高い学力が身に付いて、第2志望のSG高校の合格につながった(最初からSG高校ねらいなら、モチベーションが低かったかも)
  • しかも、学力的に余裕を持って、SG高校に進学できることになった
  • 親子のコミュニケーションが格段に増えた
  • 親が子の受験に「責任」を持てる(同じ目線を共有できる)

 

「塾なし高校受験」のデメリット

一方、当然ながらデメリットもあります。

  • S高校に合格できなかった(結果論なので何とも言えないが、「場数」や「競争」の機会がもっとあれば、合格していたかもしれない)
  • 中学校は受験指導を実質的に放棄しており、情報が圧倒的に少なかった
  • なので、情報収集が大変だった(想像で補った部分も多々あり)
  • なので、親も大変だった(何回も倒れそうになった)
  • 受験の失敗を第三者(塾)のせいにできない!(間違うと、親子関係が破綻する)

 

塾なし高校受験を振り返って

あ~、楽しかった!

 

至らない点も多々あり、ムスメAの実力を最大限に引き出してあげられたかどうかは分かりませんが、少なくとも出来ることはすべてやったと自負しています。

 

大学受験も見据えて、アドバイスできることは全部吐き出したつもりなので、高校生になったら、こちらから勉強に関わるつもりはありません。学校の先生を上手く利用したり、同級生と切磋琢磨したりしながら、前へ前へ進んで欲しいと思います。塾や予備校に通いたくなったなら、もちろん相談に乗ります。

 

たまには、勉強のことを聞きに来てくれると嬉しいけどね。

 

余談

ボクの住む自治体では、この4月から、私立高校の授業料補助が拡充されますが、これは一見よい政策に見えて、実際には教育格差の拡大につながってしまっているのではないかと心配します。

 

一部のハイレベル私立を除き、ほとんどの私立高校は生徒確保のため、受験生全員に合格を出します。少子化が進んでいる影響も大きいと思います。

 

それが分かっている私立第1志望の生徒たちは、絶対に合格する高校だけを受けますので、「受験勉強」と言えるほどのことをほとんどしていない、と聞きます。残念ながら、少し上のレベルを夢見ることも、それに向かって努力する機会も失われてしまっています。夢破れてもそこから気持ちを立て直して這い上がる、という経験もできないので、失敗を過度に怖れるようにならないかと心配になります。

 

一方で、家庭環境の影響もあるのでしょうが、ハイレベル私立や公立高校に執着してガツガツ猛勉強する生徒たちがいます。

 

その両者を眺めていたら、私立高校の授業料補助が教育格差の拡大に一役買っているような気がしてきます。本来は、「受験後」の補助ではなく、「受験前」の補助が必要なのではないでしょうか。誰もが少し上を夢見るきっかけと、少し上を目指せる学力向上の場として、塾が無料で開放される社会があっても面白いな、などと思う今日この頃です。

 

 

 

 関連記事 


- 敏感の彼方に -