敏感の彼方に

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[子供英語]中学で単身渡米するまで10年以上習い続けたコツとメリット

 

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子ども3人、同じ英語教室に通っています。ただし「英語教室」と言っても、「Repeat after me!」と発するネイティブの先生がいるわけでもなければ、単語や文法などをひたすら覚える教室でもありません。

 

トムソーヤや十五少年漂流記、寿限無、西遊記などの物語に基づいて、幼児から大学生までが互いに相談しながら英語劇を創作し、それぞれが担当箇所のセリフやナレーション(英語+日本語)を覚えて、定期的に舞台で発表する、という教室です。

 

入会から渡米まで

長女がまだ幼かった頃、「面白そう」というごく単純な理由で入会しただけなんですが、その延長線上には「中学で渡米して1ヵ月ホームステイする」という大きなイベントがあり、それを長女は実際に経験してきました。

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英会話を習う教室ではありませんので、英語の聞き取りも会話も普通の中学生とそう変わらないレベルだったのですが、結果的には、1ヵ月を難なく乗り切れました。それは、「背景の異なる他者とのコミュニケーション」という教室の方針があったからです。

 

幼少期から 10年以上も習い続けてきましたが、もし会話や文法・単語を習うだけの教室なら、こんなにも続かなかったんじゃないかと想像します。そして、背景の異なる人たちと英語劇を創作する活動によって、言葉を超えたコミュニケーションの能力を少しずつ蓄えられた結果、大きな不安なく1ヵ月をアメリカで過ごせたんだと思います。

 

習い続けることの難しさ

ただ、一口に「10年」と言っても、その間には、入ってくる人も去っていく人もたくさんおり、いろんなことがありました。セリフやナレーションを覚えるのに苦労したことも数知れず、人間関係に悩まされたことも数知れず。

 

そんな中、親として「もう、やめよう」と言うのは簡単なことですが、社会が縦横に分断されつつあるこの時代に、背景の異なる他者と通じ合える能力は、学校の勉強なんかよりもずっと役立つだろうと信じて、10年以上走り続けてきました。

 

そこで、10年以上の経験をもとに、「幼児や子どもを語学(英語)教室に長く通わせるコツ」みたいなものをまとめておきたいと思います。長く続けることだけが目的になってしまってもいけませんが、長く続けることでしか見えない世界があることもまた事実です。

 

 

 

1.世界に目を向けさせる

日本は島国ですし、外国からの移民や留学生も依然として少ない環境ですから、自ら進んで意識しなければ「外国」を感じる機会にも限りがあります。

 

うちでは、食卓に透明のカバーを掛けて、その下にデカい世界地図を差し込んであります(ボク自身、三度のメシよりも地図が好き、という理由もあります)。

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食事中、いやでも「世界」が目に飛び込んできます。そのうち、子供たちもたくさんの国名や国旗を自然と覚えるようになります。ほかの話題がない時は、誰かが勝手に「国名しりとり」「都市名しりとり」を始めます。そのおかげで、しりとりで「ん」が回ってきても、チャドという国の首都「ンジャメナ」で返せばよいことを学びました!

 

たまに、ニュースや新聞を見ながら、世界の出来事について話し合うこともありますので、子供たちは世界をかなり身近に感じていると思いますし、外国語を学ぶ意義を自分なりに感じ取っていると思います。

 

そうやって、日ごろから日本と世界との間の垣根を取り払うようにしています。社会の勉強にもなりますので、子供たちは「社会」も自然と得意教科になっています。

 

2.親も外国語に興味を示す

子どもは、常に親の背中を見ていますし、親の真似をしようとします。ですので、親が外国語に興味を示せば子どもも自然と興味を持ちますし、その逆も当然の結果です。

 

ボクが子どもなら、親がまったく外国語に興味を持っていないのに、自分だけ「英語を学びなさい」と言われても、全然心に響きませんね。

 

別に、親が英語に精通している必要はないと思います。英語ができようができまいが、とにかく子どもと一緒になって興味を示してあげることが大切だと思います。

 

3.親も関わる

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英語などの外国語に限らず、何かを学習するとき、単に「ラクに楽しく」では学べるレベルにも限界があります。もちろん、理想は「ラクに楽しく」ですが、子どもの興味はあっちを向いたりこっちを向いたりしますので、いつも「ラクに楽しく」英語に接することができるわけではありません。

 

たとえば、子どもたちが通っている教室では、物語のセリフやナレーションを覚える必要があります。慣れてくると、自然に頭に入ってくるのですが、それでも少し「苦痛」に感じる場面があるようです。

 

そんな時には、悩みを聞いてあげたり、覚えるコツがあればそれを教えてあげたり、深く考えすぎないようにアドバイスしてあげたり、場合によっては親も一緒に覚えてあげたりすることで、子どもにとっては最大の「援軍」になります。

 

ボクが子どもなら、親がラクしているのに、自分だけ「がんばりなさい」と言われても、全然心に響きませんね。

 

4.仲間と交わる

上の「親も関わる」に共通することですが、一緒に学ぶ仲間も大きな「援軍」となります。うちの子どもたちが通う教室は、「コミュニケーション力」を一番の目標にしていますから、幼児から大学生までがごちゃ混ぜになって、あーでもないこーでもないと議論しながら、コミュニケーション力を養っています。

 

そもそも言語というのは、コミュニケーションのツールなわけですから、「先生と生徒」という関係以上に、「仲間」という同レベルのコミュニケーション相手の存在は、学習する上での大きな力になることでしょう。

 

5.日本語もしっかり

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日本にいる限り、物事を考えるベースは日本語です。一方、コミュニケーションというのは、「考えたこと」を「言葉で発する」作業ですから、「考えること」が基本になります。外国で暮らしているなら、「考えること」も「言葉で発すること」も現地語ベースになっていくのでしょうが、日本にいる限り、考えるベースとなる日本語が疎かになっては、その上に乗っかる「言葉」も台無しになってしまいます。ですので、「日本語で考えること」もしっかりやっていきたいところです。

 

6.自ら発する

コミュニケーションは、「受ける」ことと「発する」ことの両方がそろって初めて成り立ちます。ですので、コミュニケーションツールとしての言語を学ぶ際にも、当然、受け身である時間と同じぐらい、自ら発する時間も確保することが必要になります。

 

習った言葉を使って何かを説明してみたり、劇を創作して舞台で発表してみたり、海外旅行に出掛けて実際に使ってみたり、そのような機会が多ければ多いほど、学んだ言葉は定着していくんでしょうね。

 

7.長い目で見る 

英語 長い目 教室 子ども 習い事

 

言葉というのは、一生をかけて学びつつ駆使していくものですし、時代とともに変化し続けるものですから、1~2年程度で身に付くものではありません。しかも、日本にいながら外国語を学ぶわけですからね。

 

短期間で辞めるぐらいなら、最初から入会せず、その時間をほかの遊びや学習に費やす方がよほど有効だと思います(「英語が絶対に必要」ということはありませんから)。

 

どんな習い事でも、それを続けるべきかどうかは、親にとっても悩みの種です。実際、10年以上の間に何度も何度も「やめようかな」という考えが頭をよぎりました。でも、そこで親がブレていては、子どもの気持ちもブレブレになりますので、悩む姿は決して見せないように心掛けました。

 

結果がどうなろうとも、その時点で自分(親)が「これだ!」と思うものがあるなら、信念を持ってそれを子どもに勧めてやるしかないと思っています。その結果がどうなるかなんて、結局のところ、長く続けてみないことには誰にも分らないのですからね。

 

子ども3人がお世話になっている英語教室も、短い目で見ていたなら、とっくの昔に辞めていたでしょうね。普段の活動の中では、英語が特に上手くしゃべれるようになるわけでもありませんから、成果なんて全然見えません。

 

でも、10年以上も続けてきたからこそ、米国で悠々と1ヵ月を過ごす経験ができたわけですし、その経験もあってか、中学校では英語の成績がズバ抜けています。もちろん、英語の成績を伸ばすためにやってきたわけではなく、あくまでも結果論としてです。

 

 

 

まとめ

以上を一言でまとめるなら、「世界を身近に感じつつ、家族や仲間とごちゃ混ぜになって、言葉を自ら発しながら、じっくりと長く付き合っていく」ということになります。

 

何とか 10年は超えましたが、この先何が起こるか分かりません。どんなことであれ、長期間続けるのってホント難しいですよね。

 

外国語の学び方なんて人それぞれですが、どんな語学教室であれ学習方法であれ、子どもに外国語を学ばせるなら「こうした方がいいんじゃないか」と感じたことを、10年以上の経験に基づいてまとめてみました。

 

お子さんが語学(英語)教室に通われている方、これから通わせようと考えている方にとって、少しでも参考になれば幸いです。

 

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