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塾なし中学受験【実況|その6】国語の長文読解(説明文&物語)と作文

 

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さてさて、塾なしで偏差値60超の公立中高一貫校に挑戦する小6のムスメSの学習スケジュールや勉強の様子、学校や模試の成績などを、受験当日まで実況中継しているわけですが、今回は「国語の長文読解と作文」がテーマです。

 

読解力の下ごしらえ

説明文であれ物語文であれ、国語のなが~い文章を読めるようになるには、受検のテクニックなどの前に、まずはじっくりと下準備をしておく必要があります。そのために有効と思われる習慣を書き出してみます。

 

絵本の読み聞かせや読書

動画全盛のこの時代ですから、何よりも「活字」に慣れるために、絵本の読み聞かせや読書が有効です。活字が身近になれば、言葉の知識(ボキャブラリ)として、漢字・ことわざ・慣用句や文法の知識も自然に身に付きます。また、いろんなジャンルの文章に触れておけば、各ジャンルの背景知識(テーマ)を自然に吸収できますので、同じジャンルの新たな文章を読む際のハードルがグッと低くなります。

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難しめの文章にチャレンジ

小学校の高学年になったら、10分程度で読める少し難しめの文章に毎日接するようにしたいところです。集中力と速読力を養うためです。ムスメSの場合は、文章を読んで感想を書く宿題が毎日出されるため、それを活用してきました。

 

コミュニケーション

子どもが物語文を読んだ後なら、「いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうした?」を子どもに問いかけてみます。説明文なら、どのようなテーマだったかを聞いてみます。読んだ内容を整理できるようになりますし、「次も聞かれる」と思って、文章を真剣に読むようになります。あまりしつこいと嫌われますので、適度にやりましょう!

 

親子で精読

1ページ分ぐらいの長さで良いので、初めて読む文章を使って、親子で精読してみます。その際、以下のようなことを実践すると、読む力が少しずつ身に付きます。ただし、これを親子で出来るようになるには、普段から親密に信頼関係を築いておくことが前提となります。いがみ合っていては、上手く進みません。

  • 数行単位で音読させ、つかえたら、その場で言葉や意味を教える。
  • 主語と述語(誰が、何をした)を答えさせる
  • 指示語(これ、それ、etc.)が何を指しているのかを答えさせる

 

説明文の対策

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心持ち

まずは心持ちとして、どんな難しい文章でも、「答えは本文の中にある!」ということを肝に銘じます。ほとんどの問題は、自分の考えを表明するのではなく、本文から答えを引っ張り出してくることになるため、その作業を出来るかどうかがすべてとなります。

 

読み取りの基本

ほとんどの説明文は、主に「テーマの提示」「主張」「理由」「具体例」「結論(まとめ)」で構成されます(順序はさまざま)。これらの構成をつかめれば、何が言いたいのかも把握できます。なので、これらを押さえにかかります。

 

そのために必要なのが、上に書いた「主語と述語」や「指示語」の見極めです。これらの訓練が十分になされていれば、文章の構成を比較的容易につかめるようになります。

 

また、接続関係にも注目です。「順接(だから)」「逆説(しかし)」「添加・累加(さらに)」「並列(そして)」「対比・選択(または)」「説明(つまり)」「転換(ところで)」といった接続語から、「同じことの繰り返しだ」とか、「筆者の主張が続きそうだ」とか、「この後に結論がきそうだ」などの予想がしやすくなります。接続語は、脱文挿入や文章並び替えの問題の大きなヒントになる場合も多いですね。

 

【指示語や接続語の活用】
指示語や接続語は、「傍線部と同じ内容を示せ」という問題にも有効です。そのような問題が出た場合、まずは傍線を伸ばしてみて、指示語や接続語がないか探してみます。

「これは」や「つまり」という語が見つかったら、その後の部分が答えの可能性大です。

ただし、傍線を伸ばしても伸ばしても、答えがなかなか見つからない場合もあります。その場合は、具体例(たとえば)や対比(これに対して)をはさんで、その後ろに答えとなる部分が来ることが多いです。

 

具体と抽象

「具体」とは、説明を分かりやすくするために、特定の事例や物事を挙げた部分です。一方、「抽象」とは、複数の具体例の共通点を述べた部分です。そして、筆者の主張は、この「抽象」の部分に述べられている場合がほとんどです。なので、抽象部分をしっかりと読めば、設問に効率的に答えられる可能性が高くなります。

 

本文中に「結局」「つまり」「すなわち」「要するに」といった表現があれば、その後には、筆者の主張(=抽象)が述べられている可能性が高いため、要注意!です。また、「一般的には ・・・だ。しかし(だが)、・・・だ(と思うのだ)。」という記述にも要注意です。「しかし」以降が筆者の主張となっている可能性大です。

 

以上を踏まえて、説明文の一般的な構成と、読み解く際に注目すべき箇所をまとめてみました。赤色の部分が特に大切です。

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物語文の対策

物語文は、「出来事」→「心情」→「反応」の3段階で捉えるのが基本です。

 

たとえば、以下のような構成となっている場合は、

「マラソン大会で10位」→「歓喜」→「ガッツポーズ」

その背景として、「出場選手数が数千人規模」「苦しい練習」「怪我からの復帰」などの「状況」を文中から読み取れるかもしれません。

 

一方、以下のような構成となっている場合は、

「マラソン大会で10位」→「落胆」→「肩を落とす」

その背景として、「出場選手数が数十人規模」「練習不足」「五輪に届かず」などの「状況」を文中から読み取れるかもしれません。

 

このように、「出来事」「心情」「反応」と、その原因となる状況とを結び付けて整理することで、場面を聞く設問、内容の説明を求める設問、登場人物の性格を聞く設問などに答えられますし、主題(著者が言いたいこと)を聞く設問の答えも類推できます。

 

普段から本をよく読んでいれば、深く考えなくても自然に対応できると思いますし、その他頻出の「空欄に副詞を補充する設問」「比喩表現の説明を求める設問」などにも対応できる可能性が高くなります。やはり、読書に優るものはありません。

 

作文(記述問題)の対策

ムスメSが目指す公立中高一貫校の受検では、説明文の設問の1つとして、100~200字程度で要約と意見を作文する問題が出されますので、そのような場合の対策を簡単にまとめてみたいと思います。

 

要約

基本的には、文章中から該当する箇所を見つけてまとめます。冗長な部分を省略して複数の箇所をつなげたり、複数の具体例を抽象化した言葉で置き換えたりして、字数を調整します。「テーマ」と「主張」を中心にまとめることになるでしょうから、上にも書いたように、「具体」ではなく「抽象」の部分に着目します。

 

意見

基本的には、以下のようなオーソドックスな構成で必要な文字数を埋める練習をしておけば問題ないと思っています。ムスメSの場合は、200字作文の宿題がよく出されますので、それが程よい練習となっているようです。

  1. 結論(筆者に賛成 or 反対)
  2. その理由(三段論法など活用)
  3. 具体例(賛成なら後押しとなる具体例、反対なら代替例など)
  4. 結言(別の言い回しの結論付けなどで、文章を締めくくる)

 

答案を書くときの注意事項

作文や記述問題の答案を実際に書くときに注意したい基本的な事項をまとめておきます。

  • 敬体(「~です・ます」調)を常体(「~だ・である」調)に変える。
  • 主語と述語は必須。「いつ」「どこで」なども必要に応じて加える。
  • 一文中に「~ので、~ので」(順接)や「~が、~が」(逆説)を2回以上使わない(たいていの場合は、一文を短く区切れば解決する)。
  • 間違った因果関係(AだからB)を書かない。
  • 話し言葉は書き言葉に改める(「どっち」→「どちら」、「~じゃない」→「~ではない」、「やっぱり」→「やはり」、「なので」→「そこで」、「~けど」→「~だが」、「とっても/すごく」→「非常に/きわめて」、「でも」→「しかし」、「ちゃんと」→「きちんと」 etc.)。「ら」抜き言葉や「い」抜き言葉も使わない。
  • 書いた答案を読み返し、意味が通じるかどうかを確認する。

 

作文・記述問題の練習方法

やはり、インプットとしては読書が有効です。上手な文章や優れた表現をドンドン吸収しましょう。

 

アウトプットとしては、まずは 200~400字程度の良い文章(新聞のコラムなど)を書き写すのも1つの方法です。頭ではなく、身体で覚えるイメージです。また、日記も良いですね。1日の出来事を振り返るのは、「要約」の訓練になります。学校で作文の宿題が出されるのであれば、それも有効に活用したいところです。

 

選択肢問題を利用する方法もあります。「筆者の主張を次の(ア)~(オ)から選べ」という問題があったら、筆者の主張をたとえば 20~30字程度で要約してみて、正解の選択肢と合っているかを確認することにより、自分の記述力を試すことができます。

 

その他

頭の中で考えることと、それを文字として表現することの間には、子どもが思っている以上の高いハードルがあります。そのハードルは、とにかく答案を書いて書いて書きまくることでしか、容易には越えられません。

 

普段の勉強の中で、最初は構成や表現が上手くなくても良いので、考えたことをドンドン文字化していく習慣を養いましょう。頭の中で完成させるだけでは、本番に耐えられません。

 

 

 

つづく

次は、学習計画の見直しを行いました。

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