さてさて、塾なしで偏差値70の公立高校に挑戦する中3のムスメAの様子を実況中継してきたわけですが、残念ながら本命校は不合格となりました。
偏差値70というのは、上位2.3%に相当します。つまり、受験生が100人いれば、上位2人に入る実力が偏差値70ということになります。不合格だったということは、ムスメAの実力がこのレベルに達していなかったということです。努力は人一倍していましたが、偏差値70のあたりに立ちはだかる壁は、そんな努力をいとも簡単に跳ね返してしまいます。
それでもムスメAは、もうひと頑張りすることを決意しました。
偏差値67の私立高校には合格していますが、入学後の学習環境や進路状況などを考慮して、偏差値65の公立高校(SG高校)普通科を中期選抜で受験することにしたのです。
偏差値65といえば、上位6.7%に相当します。中学校の定期テストや実力テストの結果は、ほぼすべてこの範囲に入っていますので、今度は実力通りの闘い、ということになります。
そこで、「偏差値65の公立を目指す学習」をテーマに、ムスメAの様子を綴ります。
SG高校・中期選抜の概要
2020年3月6日(金)に実施されます。つまり明日です! 新型肺炎(コロナウイルス)が猛威を振るっていますが、幸いにも入試は実施されます。希望の扉は開かれています。
つい先日、SG高校の受験倍率が発表になり、1.58倍(84人の募集枠に133人が出願)となっています。人気校なので、例年通り、この地域で1、2を争う高倍率ですね。
選抜方法は、内申点(195点満点)と当日の学力検査(200点満点)の合計に基づきます。
内申点は、主要5科目(5段階評価×5科目)と、実技4科目の2倍(5段階評価×2×4科目)の合計65点を3年分足して、195点満点です。単に学力だけでなく、実技教科にもしっかりと取り組んできた生徒に有利な配点となっています。
学力検査は、普通科の全受験生に共通で、国・数・英・理・社それぞれ40点満点です。教科書レベルの問題を中心に、差をつけるための難問がちょこちょこ紛れ込んでいますので、特に数学などは、いわゆる「捨て問」の見極めも重要になります。
いろいろな情報に当たってみると、例年の合格ラインは、内申点で160~170点、当日の学力検査で140~160点、合計で300~330点の範囲に収まるようです。問題の難易度にも依りますが、合計で330点を超えれば、まず間違いなく合格となるでしょう。
ムスメAの合格可能性
ムスメAの内申点は、中1が60点、中2が58点、中3が63点の合計181点です。実技教科も手を抜かなかったおかげで、すでに内申だけで10点以上の貯金があります。
学力検査についても、前期選抜で偏差値71のS高校に挑戦したため、かなりの貯金があります。ちなみに、過去問に取り組んでみた結果は、2019年で合計170点、2018年で合計176点でした。こちらも、10点以上の貯金があります。
内申点と学力検査(過去問)の点数を合計すると、350点を超えます。合格確実ラインよりも20点高く、ボーダーラインよりも40点前後高いと思われます。つまり、当日の学力検査で仮に40点分の失敗をしても、何とか滑り込める状況です。1教科当たり8点です。1教科100点満点とすると、各教科20点分もの余裕があることになります。
以上から、余程のミスがない限り、合格できると確信しています。1つ怖いのは、これぐらいに余裕があることを本人もある程度は把握していますので、そこに生じる油断です。ですので、「油断が一番危険」ということは、本人と何度も確認してきました。
最後の勉強
さて、中3の8月から本格的に始めた受験勉強も、いよいよ大詰めです。周りでは、私立も含めて既に半分以上の生徒の進路が決定し、ややもすれば気が緩みがちな状況ですが、ムスメAは悔いが残らないように、最後までマイペースを崩さず勉強しています。
上にも書いたように、偏差値71のS高校を目指してハードに勉強してきましたので、知識面でも精神面でも、かなりの余裕があります。
国語・数学・英語については、付け焼き刃で学力が向上するものではなく、長い長い積み重ねの上に成就する教科ですので、今更ジタバタしてもあまり意味がありません。自分の実力を信じつつ、ひたすら過去問を解いて傾向に慣れることと、弱点や注意点をまとめた自作ノートを読み返すことに注力してきました。ケアレスミスをしないことが何よりも大事です。
一方、理科・社会については、計算よりも知識を問われる問題がほとんであるため、短期間でも結構伸びます。S高校の受験では、かなり難しい計算問題や記述問題に取り組んできましたが、その必要もありません。S高校の受験が終わってからの2週間ほど、Z会の対策ワークを使って、改めて基礎を固めることに集中しました。そして、固めた基礎を過去問で確かめる作業も十分にこなしてきました。
大丈夫。きっと花開くでしょう。
鶏口牛後
本命のS高校は残念ながら不合格となりましたが、受かっていてもギリギリだったでしょう。つまり、「牛後」として入学することになります。どんな学校でも、牛後の位置では、モチベーションを維持するのが難しく、受験指導の網の目からもこぼれやすく、落ちこぼれてしまう可能性があります。
一方、順当にSG高校に合格できたなら、学力的にはある程度余裕を持った入学となるでしょうから、「鶏口」として出発できる可能性大です。
「鶏口牛後」とはよく言ったもので、結局は、実力通りの学校に通えるのが一番の幸せってことでしょう。高い目標を掲げて試行錯誤を繰り返してきましたが、SG高校に合格できた暁には、それを最適解としてムスメAも力強く進んでいけそうです。
まずは、そうなることを心から祈っています。
つづく
9ヵ月にわたった実況中継も、ついに完結編です。