小1のムスコNは、多くの子(特に、男子)がそうであるように、恐竜と宇宙が大好きです。特に、地球儀を自作するぐらい、宇宙や天体が大好きです。
地球の上に乗っかってる各国の名前や国旗を覚えるのも大好きなので、先日の M-1 グランプリ 2018 でジャルジャルが披露した「国名分けっこゲーム」もドはまりしてました。昨日も「ドネシア!」「ゼンチン!」「チンチン!」 と大声で叫んでいました。
宇宙や地球の話
それはさておき、ムスコNとは、お風呂でたまに宇宙や地球(そこから派生して、光や電磁気のことなど)の話をするのですが、よく質問もされます。
先日、天体の距離の話で「光年」という言葉を使ったので、ついでに「光はメチャクチャ速い」と教えたら、「オレは勝てるのか?」と聞くので、「1秒間に 30万km(地球7周半)だ!」と答えると、5秒間ほど固まっていました。
「地球の自転」に逆らえる場所
昨日は、天体の自転や公転の話になり、地球は 24 時間で1周するから、赤道(1周およそ4万km)の上に立っていれば、40,000/24=時速約1,700km という猛スピードで動いていることになる、と話したら、「なぜ太陽はほとんど動かないのか?」「なぜ飛行機はゆっくり飛ぶのか?」「なぜジャンプしても場所が変わらないのか?」といった高校の物理で習いそうな質問をいくつか受けたのですが、その中に、こんな質問がありました。
言い換えると、「ずっと太陽を(南に)見続けるには、どうすれば良いか?」となります。夜(闇)が好きじゃないので、太陽をずっと見ていたい気持ちから、このような質問が飛び出たんだと思います。
つまり、赤道上では 1,700km/h で移動してしまいますが、北極や南極に近づけば速度は落ちるため、徒歩などでも自転に逆らって、同じ場所に居続けられると感じたのかもしれません。
確かに、理屈ではそうなりますね。面白そうなので、ちょっと計算してみることにしました。
「地球の自転」に追いつける場所を計算
まずは、北極点(N)と地球の中心点(O)を通る断面図を書くと、こんな感じです。
点Aは、これから求めようとする地球表面上の1点です。点Pは、点Aから線分NOに下した垂線の足です。その他、地球の半径をR(km)、線分APの長さ(点Aでの自転半径)をr(km)、∠AOPをθに設定しました。
r=Rsinθ より、
点Aが自転で1周する距離は、2π × Rsinθ となるため、
点Aの自転速度は、2π × Rsinθ/24 〔単位:km/h〕。
一方、ムスコNの徒歩の速度は、3km/h 程度でしょうかね。
というわけで、2π × Rsinθ/24 =3 を満たす θ により定まる点Aの場所で、ムスコNの徒歩速度と自転速度とが同じになります。
面倒なので、π =3、R= 6,000 とすると、
結局、θ = asin(1/500)= 0.1146°(北緯 89.8854°)となりました。
ということは、弧EN の長さを約1万kmとすると、
弧AN = 10,000 × 0.1146/90 ≒ 12.73 〔km〕と求まります。
つまり、北極点から 13km ほど南下した北緯で、地球を西方にグルグルと徒歩で回り続ければ、太陽(☀)は常に同じ位置に見えることになります。
ちなみに、ムスコNが走る場合は、50m を 10秒と考えると、時速18km/h で徒歩の6倍の速度になりますから、θ = asin(6/500)= 0.6876°(北緯 89.3124°) となります。
同じように計算を進めると、弧AN = 10,000 × 0.6876/90 ≒ 76.40 〔km〕と求まります。北極点から 76km ほど離れても、走れば地球の自転に追いつくことができます。
結論
徒歩なら、北極点から 13km 離れた場所、ランなら 76km 離れた場所で地球をグルグル回り続ければ、ずっと太陽を見ていられるよ、とムスコNに教えてあげましょう。
※ まぁ実際には、極点に近すぎるので、違いなんて分からないでしょうけどね ('ω')ノ
走る場合を地図上で簡単に表すと、以下のような円周上(赤色実線)を移動することになります。歩く場合は、さらに小さな円周となります。赤色点線の内側が北極圏ですから、余裕で圏内に入っていることが分かります。
実行する場合は、くれぐれもシロクマに注意するようにと、付け加えておきましょう。これは(↓)、参考にならないか・・・(汗)。
クリスマス・プレゼント
このように宇宙や地球が大好きなムスコNですから、今年のクリスマスのプレゼントには、こちらをあげる予定となっています。気に入ってくれるかなぁ。