敏感の彼方に

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Z会を「難しい」⇒「楽しい」に変える方法|小学生・中学生の通信教育

 

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中2のムスメAは、もう4年近く、通信教育(添削)のZ会を続けています。この4年間、親から「やりなさい」と言ったことは一度もありません。

 

始めたきっかけは、小学生のころ、宿題を割りと自主的に楽しそうにやっていたので、「Z会ってのがあるんだけど、やってみる?」と問いかけたことです。

 

当然、初めてのことで想像もできませんから、「やる」とも「やらない」ともはっきりしなかったのですが、「ポイントが貯まったら商品と交換できるよ」と教えてあげたら、速攻で「やる!」ということになりました(単純だ)。

 

塾ではなく「通信教育」にしたのは、勉強は誰かに言われてやるのではなく、自主的にやった方が面白いし、言わないとやらないのなら別に無理して勉強しなくてもいいんじゃないの?(たぶん、その子は勉強以外の生きる道があるんだろう)、と思っていたためです。

 

なので、最初のきっかけは「ポイント」で気持ちを釣りましたが、途中でイヤになったら辞めてもいいかな、ぐらいに考えていました。

 

そのうち、妹のムスメSも「私もやる!」ということになりました。ポイントで商品をゲットしている姉を見て「ズルイ!」という対抗意識が芽生えたためです。親としては「シメシメ」と思いつつ、「途中で投げ出さないでね」と軽く口添えして入会させることにしました。

 

姉妹は、それぞれ取り組み方が異なります。姉のムスメAは「どんどん前に進める」タイプで、妹のムスメSは「追い込まれてから本領を発揮する」タイプです。

 

性格は異なりますが、どちらにも「やりなさい」と言ったことは一度もありません。忙しくて添削問題の提出などが滞った際に、軽く何度かアドバイスした程度です。

 

 

 

Z会は難しいか? 簡単か?

「Z会」と言えば、「難しい」という言葉が決まり文句のように続きますね。自分が高校生のころ少しお世話になった記憶では、確かに難しい(というか、考えさせる良問が多い)と感じました。

 

では、小学生や中学生のZ会はどうでしょう?

 

小学生

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小学生がZ会に入会する場合は、授業の補完(予習・復習)として使える「小学生コース」か、難関国私立中学を受験するための「中学受験コース」のいずれかを選択することになります(いずれも「手書き」 or 「タブレット」)。

 

また、「小学生コース」では、教科ごとにレベル(スタンダード or ハイレベル)を選択できるほか、5年生からは、専科として「英語」「作文」「公立中高一貫校適性検査」を追加できます(いずれも、別途受講料が必要)。

 

我が家では、標準的な「小学生コース」を受講し、5年生から「作文」と「公立中高一貫校適性検査」も受講することにしました。

 

「小学生コース」は、通っている小学校の教科書別に問題が作成されていますので、予習・復習に最適です。内容も至って教科書レベルであり、特別に難しいことはありません(「ハイレベル」は難しいです。考えることが大好きなお子さん向けです)。ただし、学校の授業はどうしても遅れることが多いため、Z会と進度が合わなくなってきます。そんな時は無理せず、学校の授業が追い付いてくるまで、Z会を寝かせておくようにしています。

 

「作文」は、文章を書くための材料集めやテクニックを体系的に学べます。単なる作文としてだけではなく、答案を文章化する際の練習にもなるでしょう。指示通りに進めれば良いので、特別に難しいことはありません。

 

「公立中高一貫校適性検査」は、その名の通り、公立中高一貫校の受検に向けた学習のための教材です。5~6年生の2年間を掛けて体系的に学ぶので、多少の忍耐力は必要ですが、それほど難しいとは感じません。ただし、これだけで中高一貫校に合格できる確率は、かなり低いと思います。合格しようと思ったら、6年生で赤本(中学校ごとの過去問)や銀本(全国の中学校の過去問)に取り組むことが最低限必要でしょう(地域や難易度に依ります)。

 

中学生

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中学生がZ会に入会する場合は、高校受験のための「高校受験コース」か、中高一貫校に通う生徒向けの「中高一貫生コース」のいずれかを選択することになります(いずれも「手書き」 or 「タブレット」)。

 

また、「高校受験コース」では、受験する高校のレベルに応じて「進学クラス」か「特進クラス」を選択することになります(後者は、最難関の国公私立を受験する場合です)。

 

進学クラスは、基本的に教科書レベルなので、特別に難しいことはありません。ただし、学校の授業はどうしても遅れることが多いため、Z会と進度が合わなくなってきます。そんな時は無理せず、「小学生コース」の場合と同様に、学校の授業が追い付いてくるまで、Z会を寝かせておくようにしています。

 

我が家では、小学生は従来の「手書き」、中学生は「タブレット」と決めています。

 

小学生の間は、せっせと手を動かして欲しいからです。手を動かすことで記憶が促進されますし、字を丁寧に速く書く練習にもなります。そして中学生になったら、タブレットを使った学習にも慣れるため、タブレットコースを選択するようにしています。

 

タブレットコースの良い点として、タブレットさえ持ち歩けばどこでも学習できること(通信環境は必要)、一流講師の映像授業を見られること、自分の学習履歴に応じて個別にカスタマイズされた問題が提供されること(弱点・苦手克服)、などが挙げられます。

 

 

 

勉強に対するスタンス

長女のムスメAが小学校に入って以降の7年間、ボクは親として、「勉強はほどほどに」と子どもたちに言い続けてきました。

 

Z会を勧めておきながら少々矛盾するのですが、子どもの仕事は「遊ぶこと」だと思っています。自分がそうだったように、家の内外を問わず、集団でも1人でも、遊ぶことに目いっぱい知恵を使ってほしいと思っています。遊ぶことに工夫したり知恵を絞ったりすることは、子どもにしかない特権でしょう。その大事な時期に勉強ばかりすることは、特権を奪い取ってしまうようなものです。後々の人生にも響きます。

 

そして、このように遊ぶことの延長に、Z会などの学習があると思っています。如何に効率よく勉強してポイントを稼ぐかなんて、ほとんどゲームみたいなものです。そのゲームの中で、学ぶことの面白さに気付いたり、忍耐力や計画力を身に付けてくれたりしたら、親としては御の字なわけです。

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それでも、自主学習する!

とは言え、人間(特に、子ども)は易きに流れるもの。

 

ボクが発する「勉強はほどほどに」を真に受ければ、本当に「ほどほど」になります。

 

それでも、子どもたちは、こちらが口出しする必要もなく、学校の宿題やZ会の学習を自主的に続けてくれています。

 

なぜ、自主的に勉強するのか

「勉強はほどほどに」と発しながら、その本音は、「自主的に学習して、学ぶことの面白さに気付いてほしい」という気持ちがあります。

 

ただ、子どもの仕事は「遊ぶこと」とも思っているため、その矛盾に自分の中で折り合いを付けなければなりません。

 

折り合いを付けるのに、口ではすでに「ほどほどに」と発しているため、さらに口頭で「勉強しようね」と発しようものなら、言葉が完全に矛盾してしまいます。

 

そこで、態度で示すしかありません。経験から、2つの態度を示すと効果があります。

  1. テレビでも新聞・書籍(漫画)でもネットでも、何でも良いから知識を吸収しておき、タイミングを見計らって知識を子どもに披露する。
  2. 読書でも資格の勉強でも、何でも良いから、親自身が机に向かって「学ぶ」姿を見せつけてやる。

 

子どもにしてみれば、親は口では「勉強はほどほどに」と言ってるのに、博識で何でも知ってる(ように見える)し、勉強ばかりしていて「自分ばかりズルイ!」ということになります。おそらく(子ども自身も気付いていない)そんな気持ちで、子どもは自主的に学習するようになります(と、言い切ってしまいます)。

 

これと真逆に、「勉強しなさい!」と口で促しつつ、親自身が遊び呆けていたり、スマホをいじってばかりでは、結果は自ずと知れたものでしょう。

 

通信教育のメリット

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通信教育の長所は、「自主性」と「計画性」。この2つにつきると思います。

 

上にも書いたように、塾ではなく「通信教育」にお世話になっているのは、他人に言われるからではなく、自分の意志を尊重できるようになって欲しいからです。自主的にやらないのなら、別に無理して勉強することもないでしょうし、中学や高校の受験に際しても、学校の勉強と通信教育中心で受かる学校があるなら、それで十分だと思います(本人の希望があるなら、塾に通うことも応援しますが・・・)。

 

通信教育の場合、1カ月分の教材を月初に受け取ったら、それを月末までに終わらせる(添削問題を提出する = ポイントをゲットする)ための道のりを自分で計画立てることになります。これの繰り返しにより、子どもはビックリするような計画性を身に付けます。1カ月~数カ月先から逆算して、今やるべきことを自分で判断できるようになります。

 

最初は計画を立てるのにも四苦八苦しますが、慣れれば誰でも簡単です。親としては、「勉強するときは勉強し、遊ぶときは遊ぶ」というように、メリハリある計画となるようにアドバイスします。勉強は、長くやれば良い、というものでもありません。

 

通信教育のデメリット

通信教育の短所は、「自主性」「計画性」と背中合わせのところにあります。

 

つまり、「自主的」ということは、「何もやらない」という選択肢もある、ということになります。この点については、上にも書いたように、親が背中で「自主性」を引っ張ってあげたいところです。仮に「何もやらない」と自分の意志で決めたのなら、勿論それを尊重します。

 

一方、「計画性」の裏返しとして、計画に縛られ過ぎてしまうきらいがあります。計画通りに進むのが気持ちいいことを悟ると、今度は、計画通りに進まなくなった時に心地悪くなって、無駄に落ち込むことになりかねません。

 

人生、計画通りにならないことの方が圧倒的に多いわけですから、あまり気にせず、「その次」を気楽に考えれば良いだけです。計画に縛られ過ぎると、息がつまってしまいます。

 

親が子に願うこと

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ボクは、「子が親から自由になること」がとても大事だと思っています。ある年齢までは親の保護下にあるわけですが、ある程度の年齢になったら、(感謝を胸に刻みつつ)蹴とばしてでも親の影響下から(物理的にではなく精神的に)自由になることで、人間らしく生きられるんじゃないでしょうか。

 

そのために、自主性や計画性を身に付けつつ、知識や技量を養って、親に勝つ準備をしていってもらいたいですね。勉強に限ったことではなく、どんな分野でもいいのです。

 

 

 

まとめ

机に向かう背中を見せつつ、7年間にわたって「勉強はほどほどに」と言い続けた結果、子どもたちは(今のところ)自主的かつ計画的に、学校の勉強や通信教育の学習に取り組んでくれています。

 

最後に、子どもが通信教育を自主的に進めていくためのコツをまとめておきます。

  1. 親自身が知識をためて子どもに披露する。
  2. 親自身が読書や勉強する姿を子どもに見せる。
  3. メリハリある計画立てを手伝ってあげる。
  4. 分からない問題のアドバイスをしてあげる。
  5. 悩みや喜びを親子で共有する。
  6. 無駄な口出しはしない(ダメ出しをしない)。
  7. 計画に縛られ過ぎないように注意してあげる。

 

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