さてさて、塾なしで偏差値70の公立高校に挑戦する中3のムスメAの学習スケジュールや勉強の様子、学校や模試の成績などを、受験当日まで実況中継しているわけですが、今回は「S学園模試の結果(またもや「E」判定!)と解答戦略」がテーマです。
S学園模試
去る11/9(土)に中規模塾「S学園」の模試を受けました。そして、つい先日、その模試の結果が手元に届きました。
この模試は、公立の専門学科のうち、上位3校(偏差値 71~74)を目指す受験生のみに的を絞ったものであり、とっても高度な内容です。受験した中学生は、上位3校を視野に入れる猛者たちなのに、英語と数学の平均点は、4割前後しかありませんでした。そんな試験ですが、塾生ではないムスメAも、塾生に混じって孤軍奮闘してきました。
ちなみに、国・数・英は試験時間が 50分で 100点満点、理・社は 40分で 50点満点です。
また出てしまった「E」判定!
結果は、このように出ました。
3週間ほど前に受けた大手K塾模試の結果に引き続き、今回も「E判定」をいただきました。点数を見れば、当たり前ですね。
初めて入る塾の教室の雰囲気に慣れていなかったり、塾生よりも仕上がりが遅いことは十分に承知の上ですが、それにしても重いスランプ状態です。特に英語と社会は、もともと得意な教科であり、基礎的な力は十分に身に付いていると思うのですが、どうしても「点数」としての成果が出てきません。
一方、国語と数学については、前回の模試を受けて修正した学習方法が功を奏して、光明が差してきたようにも感じます。教科別に結果を振り返ってみましょう。
国語
今回の模試の時点でも、「古文 → 現代文」という順序で解いていたため、苦手な古文が精神面で現代文に悪影響を及ぼしていたと考えられますが、それでも、現代文に限れば平均点を上回れるようになりました。
以下のような3つの基本事項に意識的に注意しながら、いくつかの過去問で練習を繰り返しただけでこれだけ伸びたのですから、まだまだ伸びしろはありそうです。
- 速読
- 「テーマ設定」「筆者の主張」「結論」などの構造に着目しながら読み進める
- 文章中の言葉を利用して(要約するように)記述問題に答える
一方の苦手な古文ですが、本人といろいろ話し合ってみたところ、全体ストーリーを十分に頭に描けないまま、設問に入ってしまっているようです。言葉遣いや仮名遣いにはもう少し慣れが必要ですが、高校入試レベルの古文の内容は、ストーリーもオチも非常に単純です。ただ、慣れない言葉遣いや仮名遣いが、ストーリーやオチの想像を邪魔します。そこで協議の結果、古文の解き方として、本文を2回読んでみることになりました。
1回目は、細部の意味を理解しながら(とは言え、難しい部分は適宜飛ばしながら)読み、2回目は、「場面設定」「出来事」「結び」のような全体構造を意識して、ストーリーとオチを把握できるように、視野を広くして読んでみるわけです。全体のストーリーやオチが分かれば、意味不明の箇所もだいたい想像できたりします。
本人にちょっと試してもらったところ、たったこれだけのことで内容や文脈の理解が深まるようですので、しばらくこの方法で演習を繰り返してみましょう。声に出して読む練習も大切ですね。音読が速くなれば、黙読も自然に速くなりますし、言葉遣いや仮名遣いにもだんだん慣れていくはずです。
数学
数学は、嫌いではありませんが、どちらかと言えば苦手科目です。ただ、苦手なりに、難関校でも合格する方法はあります。大問1(7問前後のいわゆる「小問集合」)と、それ以外の大問の1つ~2つ目の小問さえ落とさなければ、ボーダーにたどり着きます。
そのような戦略で進めてきた成果が少しずつ出てきていますので、今のペースを維持しながら、基本に近い問題を落とさないように腕を磨けばよいでしょう。
大問1(小問集合)のほか、関数(2次関数)の大問も得点源にしたいところです。問題のバリエーションはそれほど多くないため、パターンに慣れてしまえば、平面図形・立体図形・確率などよりも確実に点数を稼げるのが利点です。
英語
英語は、リスニングのほかに、1,000~1,500 ワードもの超長文から成る大問が2つ出題されますが、得意科目でもあるため、「本文をすべて読みたい」欲求から、本文を読み終えた後に設問に入っていたようです。でも、さすがにこれでは時間が足りません。一応、全文を読めてはいるみたいですが、答えを考えるのに焦ってしまいますよね。
確かに文章は長いですが、設問自体は、該当する傍線やカッコの近くにある文さえ読めば、十分に答えられます(ほとんどの設問の答えは、傍線やカッコと同じ段落の中にあります)。大問の最後には、正誤問題が必ず出てきますが、それ以前の設問に答えていけば、結果的にほぼ全文を読んだことになるため、これもほぼ答えられます。
また、環境問題などの時事問題が頻出となっていますが、そのような出題であれば、文頭の「テーマ設定」「筆者の意見(主張)」と文末の「結論」さえ読めば、おおよその内容は想像できます(もちろん、時事問題にアンテナを張っておく必要はあります)。
というわけで、これも協議の結果、文頭と文末だけを読み、内容を想像しながら、さっさと設問に移るルーチンを身に付けていくことでムスメAと合意しました。これで、驚くほど時間を捻出できるはずです。
もちろん、このようなやり方は、単なる受験テクニックでしかありません。本来は、じっくりと英文に向き合って、読む楽しさを感じ取って欲しいのですが、限られた時間の中で解答しなければならないため、背に腹は代えられません。ムスメAの「全部読みたい」欲求は、大事にして欲しい姿勢ですから、しっかりと尊重してあげましたよ (^^♪。
社会
毎年、地理・歴史・公民から幅広く、時事問題も取り入れたような問題が出題されます。新しく始まる「大学入学共通テスト」のように、総合的な知識や探求力、記述力などが試されます。付け焼き刃の対応で解けるものではありません。赤本やZ会の「入試特訓」を活用したり、「2020年受験用 全国高校入試問題正解 理科・社会」(通称:電話帳)のうち、関東・中部・関西の都市部や、難関私立の問題に取り組んだりしながら、本番までの長い目で実力を上げていくしかないでしょう。
教科書のキャプションや囲み記事、「発展」のコラムなどからも出題されますので、これらも引き続き学習していきます。本番の配点が低いため、時間の掛け過ぎはもったいないです。
理科
上下はあるものの、比較的安定して得点できています。社会と同様に、いろんな問題に取り組んで慣れていけば、少しずつ成果が見えてくると信じましょう。
残り3ヵ月の時点で思うこと
ボク自身は、このような難関校を受験していないため、ムスメAの受験に付き合うことで初めて知ったことがたくさんあります。その中で、以下のように感じています。
- 基礎学力が前提ではあるが、それだけでは点数に結び付かない。志望校に対応した学習方法と解答戦略が大きく影響する。特に、「定期テストは良いけど、実力テストはいまいち」という「努力型」の子の場合。
- 子どもに合わせて学習方法や解答戦略を微修正し、それを2週間ほど繰り返し練習するだけでも、場合により5~10点は伸ばせそうな気がする。それぐらい微妙なものであり、子どもは「生き物」ということ。
- 進学塾では、難関校に合格するための方法論や戦略を日々蓄積し続けているため、元々それなりの力を持っている子なら、塾に入ることで合格がより確実なものとなりそう。一方、「努力型」の子でも、その子に合った方法論や戦略さえ見出せれば、合格に近づけそうな気がする。
いろいろと勉強になりますなー ( ;∀;)。
モチベーション
なかなか「点数」としての成果は出ませんが、本人の気持ちは全く沈んでいません。挫折を繰り返しながら、雑草のようにますます強くなっているように感じます。結果は「神のみぞ知る」ですが、どのような結果であれ、自主的に試行錯誤して困難を克服しようとする良い経験ができていると思います。まさに「塾なし」の醍醐味ですね。
ボク自身も、ムスメAと協議しながら、「弱点発見 ⇒ 対策検討」という作業ができることを、とても楽しめています。今回の模試で、弱点なり学習方法の修正点なりは、概ね出きったように思われますので、残り3ヵ月でどこまで挽回できるのか、楽しみです。
つづく
次は、入試本番まで残り2ヵ月となった時点の模試結果と、今後の対策や冬休みの学習計画をまとめます。D判定~C判定に伸びてきました。