やりたいことは、若い時にだいたいできたと思うので、「寄付」に片足つっこんでみることにした。ついでに、売名(報告)も積極的にする活動。今回は、その第2弾。
日本財団の「子どもサポートプロジェクト基金」の中に「児童養護施設等出身者への進学支援」という気になるプロジェクトがあったので、寄付することにした。
日本財団を選んだのは、会長である笹川陽平氏と、その父である笹川良一氏の父子物語を読んだことがあり、その「宿命」的で数奇な生き方が心に引っ掛かっていたから。
戦後最大の被差別者は父・笹川良一です。「日本の黒幕」と呼ばれた父を支え、慈善活動に捧げたその遺志を継いだ三男・笹川陽平の比類無き半生を追う“傑作評伝”。
応援するプロジェクトとして「進学支援」を選んだのにも理由がある。
自分自身は、両親のおかげもあって大学まで進むことができ、アルバイト代は概ね好きなことにつぎ込むことができたものの、これはただ運が良かっただけだ。
今、自分が比較的落ち着いて暮らせているのは、父母の存在あってのこと。その父親は、あまりにも貧乏だったので、中学を卒業したら働くつもりでいたらしい。
ところが、負けず嫌いで小中学と成績だけは良かったものだから、それを知っていた小学校時代の校長先生が高校に進学する費用を貸してくれることになり、工業高校に進むことができたらしい。
その工業高校は、教室の後ろ半分が麻雀や博打の「賭場」になるほど荒れていたものの、父は、いつも最前列に陣取り、嬉々として授業を受けていたらしい。
そうやって、勉強できる喜びを目一杯感じながら過ごせた3年間だった、ということを飲みながらよく話している。
母親も同じく貧乏で、中学卒業後はいったん働き始めたものの、上司の勧めもあって、働きながら夜間高校を何とか卒業したらしい。
夢や希望があるのに、「お金がない」という単純な理由が壁となって実現できないのは、もったいなさ過ぎるし、社会にとっても大きな損失だと思う。
本来は政治や行政の力で解決されるべきものなんだろうが、景気がいまいち良くない事情もあって、そこまでお金がなかなか回っていない現実がある。
とは言え、自分自身の景気も良いわけではないから、父母の思いも乗せつつ、可能な範囲でポチッとしてみることにした。
未来ある若者が、お金の心配なく、好きなだけ勉強したり、好きなスポーツに打ち込んだり、好きなことに没頭したりできる社会になってほしいものだ。