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【集合・人物写真】他人をボカさず投稿して大丈夫?プライバシ法律概説

 

 

Twitter、Instagram、Facebook、LINE といった SNS やブログ、Youtube などで画像や動画を誰でも気軽にアップできる時代となりました。筆者も、ネットの世界を漂いながら、いろんな画像や動画を日々楽しんでいます。

 

ただ、コンサートやイベントなどの写真で、被写体の周りの無関係と思われる人物の顔までもが鮮明に写ったものを見掛けた場合に、「プライバシーの問題は大丈夫なのかな?」と思うことがよくあります。

 

このブログでは、無関係の人物や許可を得ていない人物の写真を掲載することはありませんし、そもそも、筆者自身の顔すら出すレベルにない😨ため控えておりますが、法律的な観点ではどこに正解があるんでしょうね。

 

ちょっと気になったので、経済産業省の『電子商取引及び情報財取引等に関する準則』の「Ⅱ-8 インターネットと肖像権・パブリシティ権等 」(p.186 ~ 193)を参考に、知人の法律専門家のアドバイスも得て、ごく簡単にまとめてみたいと思います。

 

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肖像権・プライバシー権・パブリシティ権 

ネットに人物の画像や動画を投稿する際に注意すべきは、主に「肖像権」「プライバシー権」「パブリシティ権」を侵害していないかどうかです。それぞれ順番に見てみましょう。

※ ややこしい説明を飛ばしたい方は、以下の「具体的事例」までスクロールしてください。

 

肖像権

肖像権とは、「みだりに容貌・姿態を撮影されない人格的利益」です。最高裁の判例などから、有名人のみならず、一般人にも認められています。

 

広告利用などの「商業的価値」の有無に関わらず、すべての人間に認められた権利と言えます。つまり、お金の動きとは一切関係なく、「勝手に撮られたくない」という権利です。偶然に写っていた場合も当てはまります。

 

プライバシー権

プライバシー権とは、「日常の行動・活動内容をみだりに公表されない人格的利益」です。ただし、最高裁判決でも、その定義は明確になっていません。

 

「肖像権とは別に検討すべき」という説が有力ですが、ある行為がプライバシー権を侵害しているか否かの判断要素は肖像権と重なるため、以下では両権利をセットにして話を進めます。

 

つまり、お金の動きとは一切関係なく、「勝手に撮られたくない」という権利を「肖像権」、「勝手に公表されたくない」という権利を「プライバシー権」と考えれば分かりやすいですね。両権利をセットにすれば、「勝手に撮られたくないし、公表されたくもない」ということになります。偶然に写っていた場合も当てはまります。

※ ちなみに、「肖像権」は肖像(写真など)のみが対象ですが、「プライバシー権」は、肖像のみならず、テキスト(文字・文章情報)も保護の対象となります。

 

パブリシティ権

パブリシティ権とは、以下のような権利です。

著名人等の肖像・氏名等の識別情報が、これに関連づけられた商品などについて顧客誘引力ないし販売促進効果を発揮する場合に、その識別情報が有する経済的利益ないし価値(パブリシティ価値)を当該著名人が独占的に支配する権利

 

肖像権とは異なり、有名人の「商業的価値」に着目した権利です。つまり、主に有名人を対象とした「勝手にお金儲けに利用されたくない」という権利です。有名人の画像などを許可なく広告等に利用した場合は、パブリシティ権侵害の可能性が高いです。

 

具体的事例

以上の各権利を踏まえて、日常生活の中で権利侵害の可能性がある場面を具体的に考えてみたいと思います。経済産業省の『電子商取引及び情報財取引等に関する準則』に2つの事例が載っていますので、これを利用してなるべく簡単に説明します。

  1. 他人(一般人 or 有名人)が写ったコンサート写真を広告目的でアップ
  2. 他人(一般人 or 有名人)が写った旅行写真を私用目的でアップ

 

1.他人が写ったコンサート写真を広告目的でアップする場合

つまり、写真をお金儲けに利用する場合です。個人的なブログやインスタに私用目的で投稿する場合は該当しませんので、そのような場合は、次の「他人が写った旅行写真を私用目的でアップする場合」をご覧ください。

 

さて、写真をお金儲けでアップする場合の各権利の侵害可能性を表にまとめると、以下のようになります。「〇」は侵害なし、「△」はグレーゾーン、「×」は侵害あり、「-」は該当せず、をそれぞれ意味します。

 

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顔などがぼやけていて、人物をはっきり特定できない場合や、被写体の許可を得ている場合は、いずれの権利も侵害しません。

 

一方、くっきりと鮮明な写真で、被写体の許可も得ていない場合は、権利侵害の可能性があやしくなってきます。

 

つまり、問題を起こしたくなければ、ギャラリー部分のぼかし処理や修正処理をしたり、被写体の許可を得るようにしたりすれば間違いない、ということになります。これらを怠ると、権利侵害で訴えられる可能性が出てきます。

 

2.他人が写った旅行写真を私用目的でアップする場合

普通の人がネットに画像や動画をアップする場合の最も一般的な利用方法になるかと思います。同じように、表にまとめてみました。

 

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こちらの場合も、不鮮明な場合や許可を得ている場合は何も問題ありませんし、商業利用ではないため、パブリシティ権も一切問題になりません。ただし、肖像権については、依然としてグレーなままです。

 

この場合も、前のケースと同様に、ギャラリー部分のぼかし処理や修正処理をしたり、被写体の許可を得るようにしたりすれば問題ない、ということになります。

 

なお、風景や許可を得ている人物がメインの場合は、他人が写り込んでいても「△」が「〇」に近づきますが、許可を得ていない人物がメインになってしまっていると、「△」が「×」に近づいて、権利侵害の可能性が出てきます。

 

 

 

まとめ

コンサート写真であれ旅行写真であれ、広告目的であれ私用目的であれ、許可を得ていない人物やギャラリーについては、人物を特定できない程度にぼかしを入れておくのが無難です。これさえ守れば、権利侵害で訴えられることはありません。

 

たとえ被写体が友人や家族であっても、肖像権やパブリシティ権は発生しますので、いくら親しい間柄とはいえ、許可なく他人の写真をネットにアップするのは、法律にも礼儀にも反する行為です。十分に注意しましょうね。

 

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