最近、「〇〇ハラスメント(略して、〇ハラ)」という言葉をあちらこちらの記事で見掛けたり、テレビニュースで見たり、研修で学んだりして、次から次へと新しい「〇ハラ」言葉に接しているうちに、「自分は、知らず知らずのうちに、とんでもないハラスメントをやらかしちゃってるんじゃないか?」という危機感を覚え、とりあえず拾えるだけ拾ってみることにした。
その結果、一般的かどうか怪しげなのも含めて、60 種類も出てきた(50音順)。略称がこれで正しいのかどうか分からないものもあるが、リストにまとめてみる。
名称 | 略称 |
---|---|
アカデミックハラスメント | アカハラ |
アルコールハラスメント | アルハラ |
育児ハラスメント | イクハラ |
エアーハラスメント | エアハラ |
エアコンハラスメント | エアハラ |
エイジハラスメント | エイハラ |
エレクトロニックハラスメント | エレハラ |
お菓子ハラスメント | カシハラ |
終われハラスメント | オワハラ |
カスタマーハラスメント | カスハラ |
家事ハラスメント | カジハラ |
カラオケハラスメント | カラハラ |
鬼滅の刃ハラスメント | キメハラ |
キャンパスハラスメント | キャンハラ |
ケアハラスメント | ケアハラ |
ご近所ハラスメント | ゴキハラ |
告白ハラスメント | コクハラ |
コミュニケーションハラスメント | コミュハラ |
コロナウイルスハラスメント | コロハラ |
サウンドハラスメント | オトハラ |
ジェンダーハラスメント | ジェンハラ |
時短ハラスメント | ジタハラ |
シルバーハラスメント | シルハラ |
スクールハラスメント | スクハラ |
スメルハラスメント | スメハラ |
スモークハラスメント | スモハラ |
セカンドハラスメント | セカハラ |
セクシャルハラスメント | セクハラ |
ゼクシャルハラスメント | ゼクハラ |
ソジハラスメント | ソジハラ |
ソーシャルメディアハラスメント | ソーハラ |
テクスチュアルハラスメント | テクハラ |
テクノロジーハラスメント | テクハラ |
デジタルハラスメント | デジハラ |
同窓会ハラスメント | ドウハラ |
独身ハラスメント | ドクハラ |
ドクターハラスメント | ドクハラ |
妊活ハラスメント | ニンハラ |
ヌードルハラスメント | ヌーハラ |
パーソナルハラスメント | パーハラ |
パタニティハラスメント | パタハラ |
パワーハラスメント | パワハラ |
ハラスメントハラスメント | ハラハラ |
ビジュアルハラスメント | ビジュハラ |
フォトハラスメント | フォトハラ |
二人目ハラスメント | フタハラ |
ブラッドタイプハラスメント | ブラハラ |
ペイシェントハラスメント | ペイハラ |
ペットハラスメント | ペツハラ |
マタニティハラスメント | マタハラ |
マリッジハラスメント | マリハラ |
味覚ハラスメント | アジハラ |
モラルハラスメント | モラハラ |
ゆとりハラスメント | ユトハラ |
横文字ハラスメント | ヨコハラ |
ラブハラスメント | ラブハラ |
リストラハラスメント | リスハラ |
リモートハラスメント | リモハラ |
レイシャルハラスメント | レイハラ |
レリジャスハラスメント | レリハラ |
※ 面倒なので、それぞれの意味は省略
一番衝撃を受けたのは「ハラスメントハラスメント(ハラハラ)」、つまり、「あることないこと何でもかんでも『ハラスメントだ!』と声高に訴えるハラスメント」のことであり、無限ループに陥るタイプのアレだ(「ハラスメントハラスメントハラスメントハラスメント・・・・・」)。
「ハラスメントハラスメント」は、「逆ハラスメント」と言うこともできる。
これの類型として、上記 60 種類のすべてに「逆ハラスメント」というものが存在する可能性があり、たとえば「パワーハラスメント」に関しては、「パワハラを必要以上に訴えるハラスメント」を表す場合に、「逆パワーハラスメント」=「パワーハラスメントハラスメント」というのが存在し得る。
そして、「ハラスメントハラスメント」の場合と同様に、「パワーハラスメントハラスメントハラスメント・・・・・」という無限ループに陥ることになる。
というわけで、現時点で 60 種の「基本ハラスメント」を出発点として、この世には「ハラスメント」が無数に存在し得ることが判明した今、
ということがよく分かった。もはや、安住の地などない。
もちろん、犯罪やそれに類するハラスメントは厳しく罰せられてしかるべきなのだが、ちょっとした迷惑行為や嫌がらせまでもが次々とハラスメント認定され、それなりの市民権を得てしまうと、360度見渡す限り地雷だらけの状況に身動きが取れなくなる。
元はハラサー(ハラスメントする側:Harasser)が悪いにしても、「ハラスメントハラスメント・・・」が行き過ぎるようであれば、ハラシー(ハラスメントを受ける側:Harassee)の過剰さが際立ってしまい、逆効果になってしまうんじゃないだろうか。とても心配になる。
こんな不寛容な世界に生きるつもりなどなかったのだが、気付いたらこの状況である。
と言いながら、自分自身も、知らず知らずのうちにハラスメントで人に多大なる迷惑を掛けてきたかもしれない。不愉快な smell をまき散らしてきたかもしれないし、不快な sound を発してきたかもしれないし、不潔な visual を曝してきたかもしれないし、気取って横文字を使い過ぎているかもしれないし、伸び放題の鼻毛や耳毛がコンニチハしていたかもしれないし、受け入れられるはずのない告白を繰り返してきたかもしれない(すべて、現在進行形かもしれない)。はっきりとした自覚はないが、それが一番の罪かもしれない。
一方で、こちらもハラスメントを受けた記憶は残っていて、60 種のうちのいくつかに思い当たる節がある。でも、それを「ハラスメント!」と声高に叫ばなかったのは、たまたま運よく、耐え難いほどのハラスメントは受けてこなかったってことなんだろう。
そのうち、子育て中の親が子どもの無邪気さを迷惑行為と考える「イノセンスハラスメント(イノハラ)」なんてのが出てくるかもしれないな。人類は、何種類の「ハラスメント」を発見することになるのだろう?