
いわゆる「ビジネス系」と呼ばれる動画を眺めていると、「お金」にまつわるコンテンツがやたら多いことに気付く。手っ取り早く人を集めるのに最適なテーマだからね。
適当にピックアップしてみて、その面白さを皮肉まじりに語ってみたいと思う。
※ 皮肉まじりなので、気分を害しそうな方はここでサヨウナラ。
※ 動画はタイトルのみ記載し、リンクは貼らないので、あしからず。
3つの「お金持ち」系 Youtube 動画
【皆知らない】「金持ちになる人」が必ず毎日やっていることTOP5
【再生時間】22分46秒
【要約】「目標設定」「適切な食事」「早寝早起き」「勉強」「人脈作り」でお金持ち。
【スパルタ】それじゃ無理です。稼げない人の3つの特徴
【再生時間】22分15秒
【要約】稼げない人は、客観的視点、努力、勇気が足りない。
年収1億、僕の読書術【この方法を使うと、年間300冊を読めます】
【再生時間】16分16秒
【要約】自分に合ったベスト/ロングセラーを、適度にアウトプットしつつ読む。
「お金持ち」になるための必要十分条件とは
早寝早起きして、たくさん本を読んで、惜しみない努力を積むこと。これが「お金持ち」の十分条件かと言えば、決してそんなことはない。逆に、お金持ちが全員、早寝早起きして、たくさん本を読んで、惜しみない努力を積んでいるかと言えば、そんなこともない。すべては、そうなる確率が少しは高くなるかも、っていう可能性の話。
人生を一種のゲームとして捉え、ストイックに自分を追い込み、他者を蹴散らすことで何らかの結果を得ようとする行為は、その人自身がそれを「楽しい」と思えるからできることでもある。ただし、それがお金に結び付くかどうかは、また別の話。
お金を稼ぐことが最大のモチベーションとなり(というか、それしか自己表現の方法がなかったり・・・(*'▽') )、ゲーム感覚でストイックになれる能力を持っている人が、早寝早起きして、たくさん本を読んで、惜しみない努力を積めば、お金持ちになる確率はさらに高くなるだろう。ただし、「能力」と名の付くものは、たまたまそれを有している幸運、それを育む環境で過ごせてきた幸運、受難を情熱に変えられた幸運、そういった様々な運の集合体だろうから、誰もが持っているわけではない。
必要十分条件でもなく、明確な因果関係もない結果論的なことを、「モチベ」「才能」「運」という不確かで不平等なものの上に語る面白さってのは、あるよね。
ちなみに、3つの動画で言われていることは、ほぼすべて受験勉強にも当てはまる。だから、皆さんそこそこの学歴もお持ちでしょう。知らないけど。「合格」というモチベーションを「お金」に置き換えれば、割りと生きていくの楽しいかも、って話。逆に、クリアすべき目標がない人生はツマラナイ、というのも1つの真理。
再生時間の長い動画を見る人/見ない人
3つの動画の再生時間を合計すると、ちょうど1時間。2倍速で見ても、30分かかる。一方、要約して文字起こしすると、合計15秒で理解できてしまう。その差、120倍!
ビジネスであれ受験であれ、何かを「学ぶ」ということは、共通点を見つけ、具体論を抽象化し、背後に潜む原理を見つけて理解すること。学べば学ぶほど、頭の中はシンプルになっていく。こうやって単純化していけば、そもそも学ぶべきことなんて、それほど多くはない、と気付く。それが「学び」だと勝手に思っている。
単に知識を仕入れるだけなら、動画よりも活字の方が圧倒的に効率が良い。動画は、良くも悪くも雑多な情報が入り込んでくるため、集中の妨げにもなる。動画でも、ライブのようにインタラクティブなものなら、いわゆる「アクティブラーニング」的な意義が大きく、単に知識を仕入れる以上の価値があるけど、一方通行の動画は学びの効果が薄い。コロナ自粛期間のオンライン授業なんかも、一方通行なものはちょっとね。
というわけで、一方通行の動画は、「学び」ではなく「エンタメ」に分類するしかない。このブログも、ほぼ一方通行なので、「エンタメ」ということになる。
「結局、勉強する人は見ない」説
運の影響が大きい結果論的な動画に長い時間を費やすのは、やっぱり苦しい。何となく気になって見始めるものの、30秒と我慢できず、音楽・お笑い・格闘技などのエンタメ系にチャンネルを切り替えてしまう。そんな自分にがっかりだ。
でも、動画は勉強のためではなく、楽しく暇をつぶすためにあると思えば 👍!
おまけ
今週もあっという間に終わってしまった人へ【自分の時間の増やし方】
【再生時間】11分01秒
【要約】自分が上の立場で、能動的に時間をコントロールし、細切れの仕事・用事を増やさなければ、1日を長く感じられる。
動画を視聴する際は、自分が下の立場で、受動的に時間を使いながら、細切れの情報を消費する。だから、時間があっという間に過ぎてしまう。何という、皮肉な動画だ!
さいごに
動画全盛の時代に、コロナ自粛が重なって、自分を見失いがちな人が増えていないかと勝手に心配になり、何となく筆が進んでしまった。動画の作者や、動画をエンタメ的に楽しんでいるファンの方々をディスる気持ちは毛頭なし。あしからず。