敏感の彼方に

HSPエンジニアがお送りする、前のめりブローグ

「好きを仕事に/自分らしさ」が地獄なのは行動・運・余裕の結果だから

 

 

「好きを仕事に」というフレーズを普通に聞くようになりました。インフルエンサーとして名高い堀江貴文さんや西野亮廣さんをはじめ、ブロガーさんやタレントさんなど、たくさんの方々が当たり前のように使っています。

 

経済成長が停滞してブラックな職場が増えたことや、人間が嫌う仕事や事務的・ルーチン的な仕事が人工知能(AI)に代替されそうな近未来を見据え、より自分らしく生きるための手段として使われることが多いように感じます。

好きを仕事に 自分らしく 人工知能 AI

言葉自体に異論はありませんし、誰もが「好きを仕事に」して「自分らしく」生きられれば、 どんなに素晴らしい世の中だろうとは思います。

 

ただし、現実は理想通りにいかないことの方が多く、場合によっては、理想を追い求めることが地獄にもなりかねません。

 

ボクは、複数種類の仕事を同時並行的に進める「ポートフォリオワーク」的な働き方をしており、その中では、主にリスク分散を目的として、好きな仕事も、好きでもない仕事も、分け隔てなくこなしていますので、割りと中立的な立場にあると思います。

 

その立場から、「好きを仕事に」「自分らしさ」というのは、「行動」「運」「余裕」がセットになって初めて実現することだと感じています。つまり、3点セットがそろわない限り、「好きを仕事に」も「自分らしさ」も、そう易々と実現するものではないだろうと考えるわけです。順番に考えてみます。

 

好き × 得意 × 大切 = 自分らしさ

このような図、よく見かけますよね。

好き 得意 大切 自分らしさ 好きを仕事に

「自分の好きなこと」「得意なこと」「大切にしていること」の3つを掛け合わせたところ(図中ピンク)に、本当の自分つまり「自分らしさ」がある、ということを表すベン図です。

 

ただし、これはあくまでも自分の内面に関することです。就活の時などに自分の内面を見つめ直して、より適した会社を見つけるのには向いていますが、一般的に言われる「好きを仕事に」って、たぶん普通に就職することではないですよね。

 

何者部屋

「好きを仕事に」「自分らしさ」というのは、「何者かになって、社会の中で一定の承認を得られえる生き方」と解釈しています。余程の「何者」として認められない限り、好きなことで食べていくことなど不可能に近いからです。図で表すと、こんな感じです。

何者 好きを仕事に 自分らしく 承認

「何者部屋」というヘンな言葉を持ち出しましたが、この部屋は、「何者かになりたい」と思った人が入る部屋です。この中に入って初めて、「好きを仕事に」「自分らしさ」を追求できるようになります。ほとんどの人は、この部屋に興味があるものの、入らずに外側で眺めています。

 

「行動」を起こせる才能と地獄

この「何者部屋」に入ることこそが「行動」なわけですが、その「行動」を起こせるかどうかは、生まれ持った気質・性質や経験値に依るところが大きく、ボクらのような一般人にとっては、ものすごく高くそびえ立つ壁です。

 

行動を起こせるかどうかは1つの「才能」と言えると思いますが、インフルエンサーの方々は、その才能を持っているからこそ、一般人にとってそれがどれほど高い壁か分からず、なので行動を起こすことが、すでに前提条件となっている場合が多くあります。

 

若い頃は、自分の内側からも外側からも「何者かになれ!」というプレッシャーがかかりますので、それほど行動力がない人にとっては、まさに地獄です。場合によっては、「死にたい」とさえ思うこともあるでしょう。

 

「運」が引き寄せる仕事

さて、並外れた行動力で「何者部屋」に無事入れたとします。その「何者部屋」で何者かになるということは、基本的には「金になる仕事」で何者かになる、ということでしょう。図で表すと、こうなります。

仕事 好き 自分らしく

部屋に入れたとしても、自分の「好き」「得意」「大切」と重なる「金になる仕事」が見つかる保証はありません。たとえば「好き」なこと(仕事)があっても、それに対するニーズがなければ、それはお金にはなりません。

 

この場合の選択肢として、(1)「好き」をニーズに合わせる、(2)ニーズが生まれるまで「好き」をプッシュする、の2通りが考えられますが、(1)を選んでしまうと、当初の目的である「好きを仕事に」から外れてしまいます。したがって、(2)を選ぶことになります。

 

「好き」をプッシュするには、実力と行動力が求められますし、多くのインフルエンサーは、実力と行動力を注いだ結果として実際に「ニーズ」が生まれたんだ、と言うでしょう。確かにそれもあると思いますが、ニーズが生まれるのは、時流や環境、時代背景の影響の方が大きく、ボクは「」の要素が圧倒的だと確信しています。人間は結果を「実力」の賜物と考えたい生き物ですが、実力ではどうにもならない「運」の力ってあると思います。

 

このように「運」で「仕事」を引き寄せた結果を以下に示します。

好きを仕事 実力 行動力 自分らしさ

仕事を「好き」にくっつけたのは、「好きを仕事に」という目的もありますし、大抵の人はまず「好き」から始めて、それがお金になる場合を探るでしょうから、一番可能性が高いと考えたためです。場合によっては「得意」が仕事になるでしょうし、「大切」が仕事になる場合もあるでしょうね。

 

以上の「行動」「運」という2つの大きなハードルを越えたところで、やっと「好きを仕事に」が実現されます。いわゆるインフルエンサーと呼ばれる方々は、これらの壁をいとも簡単に越えているように見えるところに、その凄さがあるんだと思います。

 

ただし、これだけでは、まだ「自分らしさ」に到達できません。

 

「余裕」が生み出す「自分らしさ」

「行動」と「運」によって、「好き」の円と「仕事」の円が重なるところまでは到達しましたが、その仕事が「自分らしさ」と合致するかどうかは、「得意」さらには「大切」の両円とも重ならなければならないわけです。

 

上にも書いたように、「好き × 得意 × 大切 = 自分らしさ」という乗算の方程式が成り立つということは、いくら「好き」な仕事であっても、「得意」「大切」のどちからが1以下ならば、「自分らしさ」は目減りしてしまいます。

 

なので、その仕事が「得意」かつ「大切」であるかを慎重に吟味しなければなりません。そのために必要なのが「余裕」です。

 

好きな仕事でお金に困らなくなっても、その仕事ばかりに心囚われていたり、時間を掛けなければお金にならないような仕事であったりすると、とても「自分らしさ」に到達できる「余裕」など持てません。

 

「好き」に拘泥するのではなく、もっと広い視点が必要になります。

 

「何者部屋」の外側にも広がる世界

「好きを仕事に」「自分らしく」と声高に叫ぶ人たちは、並外れた行動力と強運でもって「好きを仕事に」を実現した後、(金銭的にも精神的にも)余裕を持って「自分らしさ」を求めた結果として、そのようなパワーワードをいとも容易く発しますが、そのようなプロセスは、ボクら一般人にとっては地獄にしかならないかもしれません。

 

でも、そんな「何者部屋」に入らなくても、「好き」「得意」「大切」は、意外と身近なところに転がっています。

 

何者 好き 得意 大切 部屋

 

ボクは当然「何者」でもありませんが、身近な「好き」「得意」「大切」を拾いながら(ついでに、義理や恩やリスク分散で「嫌い」「苦手」「不要」なども拾いながら)、かなり楽しくハッピーな日々を送れています。「自分」を切り売りする必要もありませんしね。

 

 

 

まとめ  

以上のように、「自分らしさ」というのは、行動を起こした後にしか得られないものだと思います。行動を起こす前に頭の中だけで「本当の自分」を探し求め過ぎると、そのような理想的な自分に対するこだわりが強くなり過ぎる結果、失敗を恐れて、本来の「行動」を起こせなくなる可能性があります。

 

「自分らしさ」や「自由」を追求するのはほどほどにして、身近なところからさっさと行動に移す手もありますよ。「自分らしさ」や「自由」は、最初からそこにあるものではなく、行動して獲得するから意味があるんでしょうね。

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