敏感の彼方に

HSPエンジニアがお送りする、前のめりブローグ

子どもを本好きに育てる方法|成績がアップして受験にも役立つ

 

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受験生の親として改めて思うのは、やっぱり「読書は最強!」ってこと。国語のテストなど朝飯前*1。数英理社も、「答案の作成」以前に「問題文の読解」が出来ていないことがツマヅキの第一歩になるのだから、やっぱり読書がベースになる。

 

ボキャブラリ、漢字能力、全体の流れを捉える力、想像力、抽象化力(本質を見抜く力)・・・楽しく読むだけで、身に付く力は数知れず。大量の活字を見て吐き気を催すのではなく、活字がご飯🍚のお供になるぐらい、活字に慣れ親しめるのも良いところ。

 

動画全盛の時代だけど、その動画を提供している猛者たちも、テキスト(活字)を情報源にしているケースが多いことを忘れちゃダメ。動画視聴に10分を要するところ、テキストなら数秒で終わっちゃう情報もたくさんある。人生が数十倍長くなるようなもんだ。もちろん、一角の「YouTubee」として、YouTuber には感謝の気持ちしかないけどね。 

 

というわけで、子どもが割りと読書好きに育ってくれたようなので、やってきたことをまとめておこう。100年後の二宮金次郎はタブレットを持っていそうだけど、その画面には、やっぱり活字が並んでいて欲しい。

 

インプット

読書に限らず、知識獲得のモチベーションは、インプットとアウトプットにある。言い換えるなら、知識欲と承認欲求。ここでは、インプットに効果があった方法を記すことにする。大抵の女の子は、インプットの充実で読書好きになるような気がする。まぁ、こういう時代なので、男女の違いを殊さら強調するのは良くないね。

 

絵本をたくさん読む

10年以上、手当たり次第に読み聞かせしてきた(現在進行形)。6,000冊ぐらいは読んできたと思う。子どもの就寝時間に付き合ってこられたのは、ただラッキーでしかないんだけど、一日の終わりに「今日はどんな話だろう?」と楽しみにしている自分が居続けたのは確か。大いに楽しかった一日なら、その最後に1%の喜びが上乗せされ、大いに苦しかった一日なら、その最後に51%の苦しみが相殺される。絵本には、そんな作用がある。

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高尚な絵本でも、(あるかどうか知らないが)野卑な絵本でも、何でも来いだ。1つだけ注意点として、文字が多すぎる絵本は避ける。こちらが眠くなってしまう。

 

絵本を読み聞かせする目的は、文字を覚えることでもなく、良書を探すことでもなく、物語を覚えることでもなく、ただ「ストーリーをシェアする」ことだけ。「この世界には無限のストーリーが存在し得る」ということと、「その無限のストーリーを紡ぐ1つの手段が "活字" だ」ということを、子どもに何となく分かってもらえれば、それが「活字ワールド」の基本の「キ」になるだろう。

 

ちなみに、絵本サークルに所属するツマに「おススメの絵本を教えて!」と言われても、ほぼ何もおススメできない。人におススメするために読んでいるわけではない(なのに、表紙を見ただけで、既に読んだかどうかを瞬時に判断できてしまうのも、絵本の凄いところ)。ストーリーをシェアした結果として、喜びが上乗せされ、苦しみが相殺されれば、それで自分にとっての絵本の役割は終わる。

 

さて今日は、どんな話だろう?

 

親も本を読む

幸か不幸か、子どもはビックリするほど親に似る。親の真似をする。だから、親が活字を読んでいたら、子どもも活字を読むようになる。そうならない場合もあるだろうし、その理由も様々だろうが、「強制」はとにかく良くない。強制せずに、書籍でも新聞でも電子ブックでも何でも良いので、親が読む「後姿」を見せつける。だって、その方がカッコいいじゃん。強制はダサい。まぁ、ダサくならないように、この記事を書いてるんだけどね。

 

家の中に本をたくさん置く

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これも基本中の基本だ。家の中で、手の届く範囲に本(=活字)を置いておく。ちょっとした空き時間に、眠れない夜に、子どもの伸ばした手が活字にぶつかりますように。そのためには、電子書籍はやっぱり向かない。ペーパーブックの数少ない利点だ。

 

ミニマリストの方々には難しいかもしれない。でも、日本には、図書館という最強施設がどの自治体にも存在する。子どもが読む本は、別に最新刊である必要もないため、図書館で十分に事足りてしまう。図書館に行けば、幼児向け、児童向け、ティーンズ向け、などなど、そこの司書さん独自のおススメ本が並べてあったりする。挨拶を交わしながらも、「あ、またあの司書さんだ」「あ、いつも絵本を大量に借りていくあのオッサンだ」という心の会話をする程度にしかない関係の司書さんに、子どもの読書の土台を委ねてみるのも面白い。そんな出会いが、図書館にはある。

 

家中に活字を散りばめたとして、そこに子どもがアクセスするようになるには、何よりも「ヒマ」であることが条件になる。テレビと動画とゲームが、消費者の「ヒマ」の分捕り合戦を繰り広げる厳しい戦国時代ではあるけれど、勇気を持ってすべての電気と電波をそっと遮断すれば、静寂とともに「ヒマ」が訪れる。そのヒマを埋め合わせようと伸ばした子どもの手が、どうか活字にぶつかりますように ☆彡 

 

この場合もひと言。「強制はダサい」。

 

いつも本を持ち歩く

移動中の待ち時間、病院での待ち時間、買い物途中の待ち時間など、この世は「待ち時間」であふれている。子どもも例外なく、「待ち時間」の被害者となることがある。そんな時、子どもの目の前にサッと差し出すものは、動画か、活字か。

 

カバン👜の中には、スマホと本が入っている。3回に2回は本を差し出し、3回に1回だけスマホを差し出す。それぐらいでどうだろう? もちろん、その3回に2回は、親も本を取り出すしかない。

 

シリーズものを好む

長女は、小学2~3年の頃に、この本を読み始めてから、読書スイッチが完全にONとなった。中学生になった今も、新しい巻が出るとソワソワするみたい。現時点の最新は、46巻かな?

マジック・ツリーハウス 第1巻恐竜の谷の大冒険 (マジック・ツリーハウス 1)

マジック・ツリーハウス 第1巻恐竜の谷の大冒険 (マジック・ツリーハウス 1)

  • 作者: メアリー・ポープ・オズボーン,食野雅子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2002/03/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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シリーズものは、良い! 一度ヒットすれば、しばらくはそれに食いつくことになる。食いつけば食いつくほど、その著者のことも好きになって、完全にファンになる。親としても、子どもの本を苦労して探す手間が省ける。最初は、まんが・コミック・図鑑、何でも良いので、シリーズ本に頼るのがおススメだ(慣れてきたら、活字だけの本に向かっていこう)。難点は、テスト期間中も読みたくなってしまうこと。運用のタイミングを考えなくてはならない。

 

上に載せた『マジック・ツリーハウス』は、装丁もカワイイし、次女も絶対に気に入るだろうと思って、図書館で借りてきたものを家の中にそっと置いておいたのだが、一度たりとも手を伸ばすことはなかった。視界には入っていたはずなんだが、親に対する反抗心なのか、姉に対する対抗心なのか、分からない。分からないから、面白い。

 

アウトプット

性差を強調するのは良くないのだが、「子どもを読書好きにする」というテーマの醍醐味は、やはり「男の子をどう料理するか」にあると思う。男女を比較した場合に、上に書いた「インプット」だけで読書好きになる確率は、女の子の方が高いだろう。たぶん。男の子でも、「インプット」だけで読書好きになる子は少なくないだろうけど、男子特有の競争心なり虚栄心なりが、読書という静的な動作の妨げになるような気もする。

 

そこで、インプット(≒ 知識欲)に加えて、アウトプット(≒ 承認欲求)を利用する。男子に限らず、「入力」よりも「出力」に大きな喜びを覚えるのが人間という生き物だから、当然ながら女の子にも有効。

 

傾聴する

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「傾聴」というのは、単に耳を傾けるだけではなく、相手の話を全身で受け止めようとする姿勢だ。子どもが、読んだ本の話をしにきた時、それは「傾聴」のチャンス!

  • 作業の手を止めて、子どもに正面から向き合う
  • 適度に相槌を打つ
  • 適度にオウム返しする
  • 最後まで聴く

 

このような姿勢で向き合えば、子どもは得意顔で語り続けるだろう。承認欲求がフル充電されるとともに、「次もまたやってやろう」という気持ちが残るに違いない。

 

ついでに、「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どうした」のかを問い掛けてみたり、あらすじを聞き出してみたり、印象に残った場面を振り返ってもらったり、それに対する感想を述べてもらったりすれば、もう立派な国語の勉強だ。

 

日ごろ、子どもが動画やゲームの話をする際には、あえて関心薄目に反応しておき、読んだ本の話をする際にだけ、少し関心を高くして傾聴するようにすれば、子どもなりに「親の気を引けるのは、読書だ」と学習して、読書好きになっていくってパターンもあり得る。

 

子どもが先生になる

「傾聴」しようにも、子どもが本を読んでいなければ傾聴しようがない。そこで、まずは読書のきっかけとして、子ども(男子)の権威欲・名誉欲をくすぐってみる。具体的には、知識系の本を子どもに与え、子どもが読んで内容を理解したら、先生となって親に内容を教える、というやり方だ。要は、ビブリオバトル。いま、長男が挑戦中。自分が親より偉い立場になれるのだから、意気揚々と楽しみながら取り組めている。

 

書店に出向き、大好物の「ドラゴンボールカード」を1枚買ってあげるついでに、いろんな本を物色し、ムスコと相談した上で、この本を買ってきた。生き物の不思議(「なぜ恐竜はいなくなったのか?」etc.)や地球・宇宙の不思議(「太陽が無かったら、地球はどうなる?」etc.)など、およそ 60項目の「なぜ?」が、見開き2ページ前後でイラストとともにまとめられており、読みやすい。売れてるのかどうかは・・知らん。

たのしい! 科学のふしぎ なぜ?どうして? 2年生 (楽しく学べるシリーズ)

たのしい! 科学のふしぎ なぜ?どうして? 2年生 (楽しく学べるシリーズ)

 

 

これを、一日に1項目ずつ消化しており、今日までに 24 項目の授業をしてもらった。こちらは、何も知らない生徒の役だから、分からないことはズバズバ質問するし、おかしなことは指摘するし、長ったらしいのは嫌だから、なるべく簡潔に説明してもらうようにお願いもする。これにムスコも応えるべく、回を重ねるごとに、しっかりと読み込んで、説明のシミュレーションも行ってから、登壇するようになってきている。そんな好循環が生まれつつある。

 

ボチボチ、ムスコの目には、文章中の重要な部分だけが光って見えるようになってきているんじゃなかろうか。上手くいけば、「要約」という強力な武器を手に入れられるかもしれない。ある日、ムスコの様子を見ていたら、授業は終わっているのに、本を勝手に読み進めていた。興味が湧いたみたいで、こちらの思惑通りだ。シメシメ。

 

最後は「¥」

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もし、権威欲・名誉欲もダメとなったら、金銭欲を刺激する手もある。上に書いた「授業」で、分かりやすく説明できたら小遣い 30%アップ、簡潔に説明できたら 50%アップ、面白おかしく説明できたら 100%アップ、のように設定したら、目の色を変えて取り組みそうな気がする。

 

30%のアップは、こちらの知識を増やしてくれたことへの対価、50%のアップは、こちらの時間の浪費を抑えてくれたこと(生産性向上)への対価、100%のアップは、エンターテインメント性への対価であって、別に「子どもが読書したこと」への報酬ではない。読書するのは、あくまでも自分のため、ってことで。

 

 

 

あとがき

人間と人工知能(AI)が渾然一体となって、各種メディアを通じた娯楽時間の分捕り合戦が繰り広げられている。その環境に負けないようにするには、読書したくなる環境も分厚くするしかない。やっぱり、強制はダサいよね。

 

*1:読書量が国語の成績に直結しておらず、特に説明文・論説系の問題を苦手とする人は、読書が小説・物語系に偏っている場合が多い。その場合も、説明文・論説系の文章の構造を教えてあげるだけで、割りと容易に解決したりする。

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