敏感の彼方に

HSPエンジニアがお送りする、前のめりブローグ

下町ロケット「藤間秀樹」役の杉良太郎さんのボランティア精神が渋すぎ

 

 

阿部寛さんが主演を務める連続テレビドラマ『下町ロケット』の続編が 10/14(日)から始まり、視聴率 13%以上の好スタートとなっているようです。

 

前作や1年前に放送された『陸王』、『半沢直樹』などと並ぶ「池井戸色」満載の展開となりそうな予感ですが、それでも視させてしまうところが「日曜劇場」であり「池井戸劇場」なわけですね。

 

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その『下町ロケット』で、帝国重工の社長・藤間秀樹を演じる歌手・俳優の杉良太郎さんは、過去何十年にもわたってボランティア活動を続けていることでも有名です。

 

その杉さまが、本日の朝日新聞のオピニオン面「耕論」に登場して、来年で 60 年の節目となるご自身のボランティア活動(福祉活動)を語っています。

 

すごく自然体で、ボランティアのことをサラッと述べられているのですが、長年の活動には愉快適悦な経験もあれば、艱難辛苦な経験もあったことでしょうから、そういった幾多の経験の上での「凄味」のような「達観」のようなものを感じます。

 

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― 2018.10.16 朝日新聞「耕論」より ―

 

曰く、

昔は「売名」と言われるのが嫌で、黙って活動をしていました。日本では、ボランティアをする人にジェラシーを感じるのでしょうか。お金がある人はお金を、お金がない人は時間を寄付する。そして、お金も時間もない人は、福祉活動をしている人を理解してあげる。ぜひ、そうしてほしいと思っています。それだけでも立派な福祉の心です。

 

こちら(↓)の記事にも、福祉活動 60 年の心境がつづられています。

yomidr.yomiuri.co.jp

 

過去には、東日本大震災の復興支援ボランティアで、「偽善や売名と言われることもあると思いますが・・・」というインタビューに対して、

「ああ、偽善で売名ですよ。偽善のために今まで数十億を自腹で使ってきたんです。私のことをそういうふうにおっしゃる方々も、ぜひ自腹で数十億出して名前を売ったらいいですよ」

と男前に回答されたエピソードもあります。

 

* * *

 

たとえ売名の意図など全くなくても、目立つ活動をすれば否定的な意見が付いて回るのは、有名人の宿命でしょうか。自腹で数十億円も出しておられるのに、さらに「有名税」も支払わなければならないお立場というのは、ボクら庶民には想像もつかない葛藤との闘いになると思うのです。

 

そのような中で、「誰もが『お金』『時間』『理解』のいずれかを提供できる社会に」という、ごく自然で合理的で優しい「福祉」のあり方を説かれているわけですから、敬服以外に何もありません。

 

このように、ボランティアには常に「偽善・売名」という歪んだ見方がついて回りますし、先日のプロボランティアの活躍に当たっては、「自己満足!」「ボランティアのハードルを上げるな!」といった批判も出ていました。

 

でも、百歩譲って、千歩譲って、仮に「偽善・売名」「自己満足」の思惑があったとしても、それが困っている人の救いになるのなら、それはそれで良いじゃないかと思います。

 

ボクみたいに、「お金がない」「時間がない」と、何もできないフリをしているだけの人間にも、「ボランティアの活動を理解する」という「福祉の心」もあるんだぜ、と教えてくれる杉さまは、ホントに優しい存在です。

 

ブレない信念を長年にわたって保ち続けること、広い視点で、自分も含めてすべての人間がハッピーになれる答えを用意してあげること。拙速な分断が花盛りのこんな時代だからこそ、改めて新鮮に感じられます。

 

www.overthesensitivity.com

 

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