敏感の彼方に

HSPエンジニアがお送りする、前のめりブローグ

勉強の「やる気」を出す方法は「なぜ勉強する?」を考えるのがコツ

 

 

どんな人でも、勉強の「やる気」が出ないと感じたことはあるでしょう。

 

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子どもであれば、新しい学年にも慣れた夏休み前、真ん中の学年にあたる2年生、中高一貫校の中3・高1あたりなど、いわゆる「中だるみ」の時期には、勉強が手につかないことの方が自然かもしれません。

 

また、「やる気」の悩みは何も子どもに限ったことではなく、大人になってからも、仕事に必要な学習や資格の勉強において、「やる気」のスイッチがなかなか入らないことがあります。

 

そんな時は、どうすればよいのか? 

 

その答えの1つは、「なぜ勉強する?」という学習の動機を考えることです。まずは、自分がなぜ勉強しようとしているのか、を考えて、その動機が明確になれば、次にやるべきことも決まってきます。

 

そこで、この記事では、認知心理学の知見に基づいて、まずは「学習の動機」を整理した後、それを利用して勉強の「やる気」を高める方法をまとめていきます。

 

勉強・学習の動機付け

「なぜ勉強する?」という学習の動機には、いろんな分類の仕方がありますが、なるべく簡単に表現すると、以下の図のようになります。

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図の縦軸「学習自体への興味」は、そもそも学習したり勉強したりすることに興味があるかどうかです。たとえば、学校の勉強に関して言えば、好きな教科や得意な教科は興味「大」となるでしょうし、嫌いな教科や不得意な教科は興味「小」となるでしょうから、学習・勉強の対象(教科)によって、1人の人間の中でも大きくなったり小さくなったりするものです。

 

図の横軸「学習の損得」は、学習・勉強の結果として何かが得られるかどうかです。たとえば、何らかの報酬が得られるなら損得「大」となるでしょうし、何も得られなければ損得「小」となります。

 

これらを踏まえた上で、4つの分類を順番に見ていきましょう。

 

「自己満足」の動機

勉強それ自体が楽しいし、充実感も得られるから勉強する、という動機付けです。ある意味、最強の動機付けかもしれません。

 

勉強すること自体が楽しいので、基本的に損得は考えません。

 

「知力を鍛えたい」「頭が良くなりたい」といった動機付けも、ここに含まれます。

 

「実用型」の動機

現在の仕事や生活、将来の人生に活かせるから勉強する、という動機付けです。

 

勉強自体に興味がありますし、「活かせる」という「報酬」が目標になっていることから、損得を考えていることになります。

 

「他者比較」の動機

「ほかの人もやっているから」とか、「先生が好きだから」とか、「人に負けたくないから」とか、「良い成績で優越感に浸りたいから」とか、他人との比較・関係性から勉強する、という動機付けです。

 

勉強自体に興味があるわけではありませんし、損得勘定があるわけでもありません。

 

自分の内側から湧き起こる「何か」ではなく、他者との比較・関係性で生じる動機ですから、もっとも「受け身」な動機付けとも考えられます。

 

「報酬型」の動機

勉強したり良い成績を取ったりした場合に何かをもらえるから勉強する、という動機付けです。分かりやすいのは、「100点とったらお小遣いあげるよ」というものです。

 

この場合、勉強自体に興味はなく、興味があるのは「お小遣い」ですね。

 

ご褒美につられて勉強するのは良くない、と言われますが、必ずしもそうではなく、勉強・学習のきっかけとして上手に利用できれば、それで良いわけです。

 

「やる気」アップ方法

以上により、「なぜ勉強する?」という動機を概ね分類できたと思います。

 

好きな教科であれば「自己満足」が動機となるでしょうし、資格の勉強であれば「実用型」になるでしょう。 嫌いな教科であれば、「他者比較」や「報酬型」で勉強することになるのでしょう。

 

* * *

 

次に、「やる気」をアップさせる方法です。

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上に挙げた「自己満足」「実用型」の場合は、学習自体に興味を持っている状態ですから、すでに「やる気」はありますし、学習の仕方を工夫することにより「やる気」を持続させることも比較的容易です。

 

たとえば、「実用型」の場合は、勉強の成果として得られる未来を強く意識するイメージトレーニングによって、動機付けをさらに強固なものにすることも可能です。

 

問題は、「他者比較」「報酬型」の場合です。

 

これらは、学習自体に興味を持っていないため、勉強・学習以外のことで動機付けをさらに強固なものにしていく必要があります。

 

たとえば、「他者比較」の場合であれば、たくさんの人が熱心に勉強している図書館や自習室で勉強してみる、評判の良い先生の授業を受けてみたり、好みの先生を探してみたりする、友だちとオープンに競争しながら勉強する、といったことが考えられます。

 

「報酬型」の場合であれば、報酬の内容を吟味してみることが一番でしょう。

 

あるいは、「他者比較」と「報酬型」を掛け算で考えてみる方法もあります。たとえば、「他者比較」の動機が強い人にあえて「報酬」を提案してみたり、「報酬型」の動機が強い人に「他者比較」の動機付けを与えてみたりすることで、それぞれの動機付けがより強固なものになる可能性もあります。

 

ただし、いずれの場合も注意したいのは、「自分の意思で動機付けする」ということです。人に言われてやるのではなく、自分の意思で図書館に出掛けたり、好みの先生を探したり、友だちに競争を持ちかけたり、報酬の中身を提案したり、することによって、「やる気」をさらに引き出しやすくなります。

 

 

 

まとめ

「自己満足」「実用型」の場合は、すでに「やる気」のある状態ですから、あとは工夫してその「やる気」を持続させればよいだけです。「やる気」がありますので、工夫も割りと簡単に、自然にできるようになります。

 

一方、「他者比較」「報酬型」の場合、最初のきっかけとしては他力本願なところがありますが、好きな先生に教わっているうちに数学の面白さに気付いたり、ご褒美につられて勉強しているうちに成績がグングン伸びて、結果的に勉強が好きになったり、といった可能性も大いにあり得ます。

 

「やる気」が出ない場合は、「他者比較」「報酬型」の動機付けを上手く利用していくのがポイントでしょう。

 

 こ 

 

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