敏感の彼方に

HSPエンジニアがお送りする、前のめりブローグ

「バカとつき合うな」というプッシュな本をプルな人間が読んで思うこと

 

 

流行りの本をこうやって並べてみると、面白いですね。

 

   

 

「アホ」「バカ」という辛辣な言葉に心をエグられる感じはしますが、いずれも本質は、副題にある「最高のパフォーマンスを実現する方法」「自由になるための方法」を指南する実践の書と理解しています(「理解したい」という希望込み)。

 

情報過多な昨今、タイトルはもはや「釣り」でしかないという共通認識がほぼ出来上がってきていますので、タイトルと内容のわずか(?)な差異に目くじらを立てるような時代ではなくなりつつあります。

 

刺激的な言葉で他人との差別化へと誘引する方法は、プロ/アマ問わずメディア業界のプッシュ戦略として当たり前のことになってますよね。

 

自分を「バカ」と認識

『バカとつき合うな』に出てくる「バカ」は、このようなバカたちです。

01 バカばっかりの環境に居続けるバカ(堀江貴文)
02 人と同じことをやりたがるバカ(西野亮廣)
03 学校を盲信するバカ(堀江)
04 目的とアプローチがずれているバカ(西野)
05 我慢を美徳にしたがるバカ(堀江)
06 未熟なのに勘に頼るバカ(西野)
07 欲望する力を失っているバカ(堀江)
08 「自分の常識」を平気で振りかざすバカ(西野)
09 機械の代わりを進んでやるバカ(堀江)
10 付き合いを強要するバカ(西野)
11 ひとつの仕事で一生やっていこうとするバカ(堀江)
12 先に設計図を描きすぎるバカ(西野)
13 にわかを否定するバカ(西野)
14 人生の配分ができないバカ(堀江)
15 新しさばかり追求するバカ(西野)
16 無自覚に人の時間を奪うバカ(堀江)
17 善意なら何でもありのバカ(西野)
18 マナーを重んじて消耗するバカ(堀江)
19 自分は老害にならないと思っているバカ(西野)
20 孤独を怖がるバカ(堀江)
21 一貫性にこだわるバカ(西野)
22 未来に縛られるバカ(堀江)
23 空気を読むバカ(西野)
24 バカを笑って、自分は棚上げのバカ(堀江)

 

いくつも当てはまってしまっている自分を「バカ」と認識するしかありません。

 

そもそも、アホ・バカが基本の子ども3人と日々向き合っている時点で、自分は「バカばっかりの環境に居続けるバカ by 堀江」ということになります。バカがアホを量産中とも言えます(汗; ( ゚Д゚))。

 

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プッシュな戦略

そんな『バカとつき合うな』は、著者である西野亮廣さんもご自身のブログに書いている通り、かなり強めのプッシュで世の中に送り込んできている書籍です。

ameblo.jp

世間一般で言われている「本が売れない」というのは嘘っぱちで、「本気で売りに行っていない」が正解です。「根性だけで届くライン」というのがあって、ほとんどの人が根性を発動させず、そのラインの手前で白旗をあげます。

毎日SNSで呟くことをせず、
毎日ブログを書くことをせず、
毎日書店の挨拶まわりをせず、
毎日サイン入れ&梱包&配送作業をせず、
そもそもサイン本の販売サイトを作ることをせず、
あの手この手で販売戦略を仕掛けたりもしません。

村上春樹先生ならまだしも、僕らのような小童の作品が「出したら売れる」わけがなく、そりゃあもう死に物狂いで売りにいかないと、売れません。いろんな仕事をさせてもらっているキングコング西野の個人的な感想として、『出版』は、かなり努力量に比例するジャンルで、そこに抜け道はなく、皆さんが思っている以上にスポ根です。

 

このようなスタンスである以上、「バカ」という押し気味のタイトルが付けられるのも、必然と言えば必然のことなんでしょう。

 

内容についても、切り口やコンセプトが変わっていたり、まとめ方が変わっていたりするだけで、基本的には西野さんの SNS をフォローしていれば同じ発想に基づく内容であることが分かるのですが、ついつい手に取りたくなるようにできています。

 

上に挙げた「バカ」の中に、「 一貫性にこだわるバカ」というのがありますが、頭がよほどぶっ飛んでいない限り、「一貫性」から抜け出すのはやっぱり難しいんだろうな、ということを読んでいて感じました。

 

もう1人の著者である堀江貴文さんの主張も、これ以前に出版されている多数のビジネス書や SNS での発信内容とたくさんカブっている印象です。

 

そんなことはご本人たちも承知の上でしょう。今ある情報をリサイクルして、定期的に猛プッシュするための材料として使っているにすぎません。

 

ちなみに、堀江さんの書籍で好きなのは、その他のビジネス書と趣きが異なるこの2冊です。

   

 

プッシュな方々の共通事項

さてさて、『バカとつき合うな』がとてもプッシュな本であることを述べましたが、この本に限らず、プッシュ全盛の今の時代、ブロガーでもインフルエンサーでも何でも、共通するのは以下のような主張です。

  • 好きなことで生きろ
  • ルールや常識は破れ
  • 空気なんか読むな
  • アホ・バカは無視しろ
  • 大学なんかに行くな
  • お金より信用を貯めろ

 

どれも刺激的で、人の心をワシづかみにしますよね。

 

このような主張自体が目的になってしまっている方も見掛けますが、たとえば西野さんの場合は、「ディズニーを超える」という明確な目標があり、繰り広げられる様々なプッシュ戦略はその土台作りに過ぎないわけです。

 

つまり、ボクのような一般庶民が夢にすら見ない壮大な目標があるからこそ、その目標にドライブされる形で、猛烈なプッシュを繰り出せるんだと思います。たくさんの試練や障害があることは容易に想像できるのですが、その実行力・行動力にはただただ感心するばかりです。

 

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プルな人間

「プッシュ」の反対は「プル」ですが、これについては、ノーベル医学・生理学賞の本庶佑・京大名誉教授が、記者会見でこのようなことを述べています。

 

「マスコミ的な発信力と、我々の発信力はちょっと意味が違う。実績を上げることが自然と発信力になる。ツイッターに出すとか、そういうレベルの発信力ではない。実績を出せば、おのずと注目が集まり、世界の人が注目してくれる、ということが本当の発信力だと思っています」

 

ノーベル賞級の研究成果を出せた方だからこその重みがありますが、プッシュ全盛の時代だからこそ、とっても新鮮に感じられます。

 

もちろん、綺麗ごとでビジネスは進みませんが、ボク自身も仕事を通じて、プッシュなプロモーションや営業に一切頼ることなく、「実績、実績、実績・・・」と念仏を唱えるごとくプルな方向でやってきましたので、大いに共感できる部分があります。

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プッシュ vs. プル

どちらかが正解/不正解、ということはありませんし、実際のマーケティングにおける「プッシュ・プル戦略」では、製品やターゲット、市場の成熟度などに応じて使い分けたり併用したりするものですから、それぞれにメリット/デメリットがあります。

 

ただ、プッシュ戦略というのは、その猛烈度が高ければ高いほど、先々の需要を先食いすることになりますので、「飽き」の到来も早くなりがちでしょうし、それを回避するため、ますます激しい「刺激」が必要になります(特に、エンタメなんかは、必需品ではありませんからね)。

 

類まれな才能をお持ちの堀江さんと西野さんは、今のところ「プッシュ」な部分がすごく目立ちますが、今後もそのプッシュ戦略の回転数を上げていくことになるのか、あるいは「プル」の部分をどのように充実させていくのか、その動向がとても楽しみです。

 

「ホリエモン」「キンコン西野」というブランドは十分に浸透していると思うのですが、プル戦略に移行できる夢の成熟までにはまだまだかなりの距離感がありますので、「成就」が先か「飽き」が先か、という時間との闘いの様相を呈している気がします。

 

 

 

さいごに

誰もが能動的に発信できる時代ですが、すべての人がプッシュ的な行動になれば衝突ばかりになりますので、一部のプッシュ的なインフルエンサーと、それを見て楽しんだり勇気をもらったりするプル的なインフルエンシーとが、自然な比率で別れていくことになるんでしょう。

 

成果の収穫に時間が掛かる「プル」な人々は、成果が見えやすい「プッシュ」な生き方についつい引き寄せられますが、両者の間には目に見えない高い壁がそびえ立っています。猛烈なプッシュによって、自分の本質がどこにあるかまでは、見失ってしまわないように心掛けたいところです。

 

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追記

堀江さんの常套句に「電話してくる人とは仕事するな」というのがありますよね。電話というのは発信側のタイミングに依存するため、受信側にとってはこの上なく失礼で邪魔な行為だ、というわけです。

 

まぁそうなんですけど、情報弱者がインフルエンサーの方々と密につながっている場合の SNS 発信なんかも、情報弱者だけに、時間やお金を目いっぱい吸い上げられてしまうんじゃないかと心配しているのは、ボクだけでしょうか?

 

 

 

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