敏感の彼方に

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ネットSNSで個人を特定されない方法【フリーランスの匿名仕事術】

 

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組織に属したり属さなかったりしながら、航空機関連の開発、ハード/ソフト含めた技術的コンサルティングや技術動向の調査、プランニング、翻訳などの仕事に 10年以上携わってきましたが、特にフリーランスとして働く際に、心掛けていることが1つあります。

 

それは、自分のキャリアを敢えて分かり難くする、ということです。

 

普通のフリーランサーであれば、実名顔出しで、自分の学歴なり職歴なりを披露しつつ、SNS などを駆使することによって、クライアントに自分の一貫したキャリアを見てもらおうと努めるものです。それが信用にもつながりますし、「顔の見える」関係を築けば、仕事を融通してもらいやすい、という思惑もあるでしょう。

 

でも、ボクは、あえてその逆を行きます。それには、自分なりの理由があります。

  • エンジニアとしての実力で勝負したい(技術力で選ばれないのなら、フリーとして長続きしないと思うし、無理してフリーを続ける必要もない)
  • 「フリーランス」というのは刹那的な働き方だと思うので、そこに一貫したキャリアなど無くてもよい(一瞬一瞬で社会に役立てるなら、それで十分)
  • 付き合いの深くない他人に、自分のことを必要以上に特定して欲しくない
  • なんとなく、こっぱずかしいっ!

 

フリーなので、お客さんと一期一会の出会いになることもあれば、10年以上のお付き合いになることもあります。ただ、いずれにしろ、フリーランスというのは、組織に属さないニヒルな生き方であり、社会の影武者的な存在だと思っているので、日なたに出る必要などありません。日陰で、実力だけでメシが食えるなら、それを幸せに感じます。

 

ですので、SNS の類はほとんど使いませんし、ブログもこの通り匿名です。でも、1つだけ、「正体不明」を貫くのが難しい要素を抱えています。

 

ネット上に転がる「実名」と匿名の関係

先祖から分け与えられた苗字(ファミリーネーム)も、両親に付けてもらった名前(ファーストネーム)も、その「読み」は特別珍しいわけでもありません。とは言え、ありふれた苗字&名前でもないので、苗字と名前を一組にすると、それだけで本人特定が少し進みます。

 

さらに厄介な点として、名前の漢字がいずれも、かなり珍しくて画数の多い漢字を採用しているため、「苗字+名前」をすべて漢字でネット検索すると、ボクしかヒットしません。これでは、学歴や職歴が完全に身バレしてしまい、当初の目的を果たせません。仕事柄、名刺交換を行う機会も多いわけですが、こちらがフリーであれば特に、経歴の特定を目的として(悪気なく)相手に氏名をネット検索される可能性は高いでしょうね。

 

別にやましい過去があるわけではないので、身バレしても何ら問題は無いのですが、学歴や職歴によってお客さんに認知バイアスが生じることを避け、打ち合わせやミーティング時の様子(会話の内容やオーラ的なもの)で発注の可否を検討してもらい、アウトプットでもって仕事を評価してもらいたいと常々思っています。それでダメなら、縁がなかったということで。

※ もちろん、フリーランス仲間や懇意にしてもらっている一部の取引先の方々とは、ざっくばらんに経歴込みで、深いお付き合いをさせてもらっています。

 

タレントのように名前を変えて、芸名(?)で活動する選択肢も無いわけではないのですが、それで違う人物が検索ヒットしてしまっても、それはそれでややこしいわけです。匿名で生きていきたい人間にとっては、なんとも面倒な世の中になったもんです。

 

ネットに分身をばらまいて本人特定させない術

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ある程度の年数を生きてくれば、いやでもネットに自分の名前が漂流することになります。そして、珍しい名前であればあるほど、本人特定の度合いが増してしまいます。

 

このことは、何もフリーランサーになってから考え始めたわけではなく、世紀が変わる前後からずっと、「なんか気持ち悪いなぁ」と思っていたことです。そして、ネットに名前が出てしまうのは仕方のないこととして、ならば、ネットに分身をばらまいて、本人特定を難しくしてしまえば良いじゃないか!と考え、これまでやってきました。

 

その基本コンセプトは、「分野的にも地理的にも、なるべく関係の薄いところに自分の名前をヒモ付ける」です。これまでの成果を書き連ねてみます。

 

学歴

こればっかりは、嘘を付けば学歴詐称になってしまうため、ネット上に出てくる自分を認めざるを得ません。特に、大学の卒業論文や修士論文の著者名として、論文のタイトルや内容とともに、ネット上で容易に見つかってしまいます。

 

これは仕方のないことですが、それ以外の分身を増やすことで、この学歴もボク本人であるのかないのか、あやふやにしてしまいます。

 

職歴

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大学時代を過ごした街から遠く離れた場所で働き始めることになりましたが、その就職した会社で書いた論文や、発明者として出願に関わった特許がネット上に公開されています。その分野も卒論や修論とはかけ離れているため、他人から見て、同一人物かどうか悩むレベルだと思います。

 

その後、フリーランサーになってから、いくつかの取引先のウェブサイトに、ニュースやトピックとして氏名が掲載されましたので、それらが検索でヒットしますが、それぞれの企業の職種や所在地がバラバラですので、それぞれが違う人物のように見えます。

 

また、個人でも特許を出願していますが、これは実家の住所で出願しているため、上に出てくるどの「自分」ともまた異なる自分として、ネット上に存在していることになります。

 

その他の活動

環境 NPO や子育て NPO でボランティア的にお手伝いをしていたこともあるのですが、官公庁への提案書などを作成した際に記した氏名が、その官公庁(あるいは、その出先機関)のウェブサイトで公開されています。現在の仕事の内容とはかけ離れていますし、NPO の所在地も住所地とは異なりますので、「他人感」が出ていることでしょう。

 

また、少しだけ寄付活動もしています。寄付に際しては、必ずと言ってよいほど、名誉欲を刺激する目的で「本名を公開しますか?」という質問がなされるのですが、ボクはこれを「分身の術」のために利用しています。出身の高校や大学、各種クラウドファンディングなども含めて、さまざまなところに少しずつ寄付しており、これらも「他人感」を醸すのに役立っています。寄付もできて、一石二鳥ですね。

www.overthesensitivity.com

 

 

 

分身の術に成功!

今のところ、10人以上の「少しずつ異なる自分」がネット上で活躍しています。この「少しずつ」というのが結構重要であり、ネット上で自分自身をグラデーション的に表せていると思います。あまりに異なり過ぎると、分身の意味がありませんからね。

 

実名顔出しで身を削るように活躍しているフリーランサーもよく見かけますが、技術力さえあれば、自分自身を切り売りする必要などない、ということを証明したいと思っています。こんなに分かり難い相手なのに、仕事を依頼したいと思われるなら、フリーランサーとして大成功です。アウトプットさえしっかりしていれば、秘密のベールに包まれた相手ほど、逆に気になって心引き寄せられる、という心理が多少なりとも働くと思います(怖いもの見たさ!)。

 

以上、ボクのフリーとしての経験に基づいて「ネット分身の術」を書いてきましたが、フリーじゃなくても、匿名で生きていきたい人の役に立てれば幸いです。今後、キラキラネームの方々が社会に出て活躍するケースが増えるのは間違いないため、個人特定の問題も大きくなっていくんじゃないかと考えています。

 

信用スコアによる人間の格付けが進む中国などでは、身バレすることは、もはや避けて通れない選択肢になろうとしているようですが、そんな息苦しい社会はゴメンです。自分は HSP(Highly Sensitive Person)なので、基本的に「放っておいて欲しい」という気持ちが根底にあることも影響しているんだと思います。HSP なりの自己防衛です。

 

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