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塾なし中学受験【実況|その1】偏差値60の一貫校合格以上に大切なこと

 

中学受験 塾 通信 偏差値 63

 

 

現在、小6のムスメSは、偏差値63の公立中高一貫校を目標に勉強しています。しかも、塾に通う予定は今のところありません。学校(普通の公立小学校)の勉強を中心に、通信教育や問題集で補いながら、部活や遊びにも目いっぱい汗を流す予定です。

 

そんなムスメSの挑戦を、来年1月までの8ヵ月間ほど記録していきたいと思います。弟の受検に際して参考になることはもちろん、同じ年頃のお子さんをお持ちの方や、お子さんの将来をお考えの方の参考になれば幸いです。

 

※ 偏差値というのは、ある集団(学校や塾や模試)ごとに決まる相対的な数値であり、「63」という数字単独では特に意味がありません。ちなみに、ムスメSが目指す中学は、地元で1番の難関校です。

 

【姉のムスメAは、塾なし高校受験を実践中です!】
 ⇒ 塾なし高校受験【実況|その1】自宅勉強だけで偏差値70を目指す計画

 

公立中高一貫校を受検する理由

我が家の教育方針は、目の前に山があるなら、まずは登ってみるです。挑戦しがいのある山が目の前に現れたなら、素通りしたり迂回したりするのではなく、楽しみながら登ってみようよ、ということです。受験に限らず、人生のあらゆる場面で「楽しく挑戦してみる」姿勢を身に付けてもらいたいと常々願っています。

 

その点、私立ではなく公立の中高一貫校であれば、出題範囲は小学校で習った範囲に限られますので、「楽しく挑戦してみる」のにもってこいなわけです(もちろん、「楽しく」とはいえ、実際の入試問題はものすごく難しいので、相当の努力を要します)。

※ 特に首都圏では、中学受験の勉強で疲弊して心療内科に掛かるお子さんが増えていると聞きます。いろんな考え方があると思いますが、ボク自身は、そうまでして勉強することに意味はないと思っています。

 

そして、結果は一切求めません。これがとても大事であり、一方で難しい面もあります。

 

なぜ大事かというと、子どもを追い込まないためです。姉のムスメAも同じような方針で同じ中学校にチャレンジし、惜しくも不合格となりましたが、追い込まずに楽しめた経験が中学の勉強にものすごく良い影響を与えています。親から「勉強しなさい」と言うまでもなく、強い自主性を持って学習に取り組んでいます。

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一方、なぜ難しいかというと、「合格」という絶対的なノルマがないため、モチベーションを保ちにくくなるからです。小学生は単純なので、明確な目標を設定した方が勉強に身が入るのは確かです。ただし、目標が明確であればあるほど、それは子どもの精神を追い込むことにもなるため、紙一重ではあります(もちろん、競争心の強い子などは、明確な目標を設定した方が伸びる可能性もあり、人それぞれです)。

 

このようなモチベーション不足については、姉(ムスメA)の時もそうでしたが、結果ではなくプロセスを大事にするという方針を貫き、親も一緒に山登りしてあげることで、目標を見失わないようにします。

 

小学生が塾なしで受検に臨む場合は、親がスケジュールを管理してあげたり、勉強しやすい環境を作ってあげたり、分からないところを教えてあげたりして、一緒に山登りしている感覚を持たせてやることがとても大切だと思います。横から「あれやれ、これやれ」と指示するだけでは絶対に上手くいきません。

 

そして、最終的な合格/不合格の結果はどうあれ、一緒に山登りできた喜びを最後に分かち合うことができたなら、それで受検は「成功」と言えるのです。

 

 

 

「塾なし」の理由

「合格」が必達目標ではなく、「楽しく挑戦する」ことを重視しているため、運動や遊びの時間を大幅に削ってまで塾通いするのは方針に反します。子どもは子どもらしくしっかりと遊び、睡眠時間も十分に確保しつつ、空いた時間に勉強すれば十分です。

 

その他、以下のような理由が挙げられます。

[時間や体力がない]
 アトリエ教室に通ったり、英語創作劇の教室に通ったり、学校の勉強以外のことも楽しんでいます。また、ピアノも大好きで習っています。受検だからと言ってそれらを休止してしまうのも残念なので、受検と上手く両立させてやりたいと思っています。また、発育期に睡眠時間を削るのは逆効果でしかないので、時間的にも体力的にも塾に通うこと自体が難しいのです。

[自主性が身に付く]
 塾には、受験情報や効果的な学習法、他の塾生との切磋琢磨など、多くのメリットがあるのは分かりますが、そういう受け身的な取り組みではなく、自分との闘いとして、自主的に勉強に向き合って欲しいと常々願っています。

[スケジュール管理が身に付く]
 塾に行けば、スケジューリングや勉強内容については全く心配ないでしょう。すべてお膳立てしてくれるからです。でも、上の「自主性」と同じく、小学生が自分のスケジュールまで管理できるようになれば、ものすごく大きな武器になります。もちろん最初は難しいでしょうから、一緒に考えてあげる必要があります。

[自宅で教えられる]
 ボク自身エンジニアなので、算数と理科は得意です。分からないところがあっても、十分に教えられます。社会も個人的に好きです。国語は少し苦手ですが、小学校で習う程度の内容なら、問題なく教えられます。

[効率的に勉強できる]
 塾のように何でもかんでもオールマイティに詰め込むのではなく、子どもと一緒になって弱点を把握することにより、内容も時間も徹底的に絞り込んだスリムな勉強が可能になることも、自宅学習の利点です。

 

中学受検に対するボク(親)の考え

どこの中学に行くかなんて、これからの人生に1%も影響しないと思っています。実際、姉のムスメAは中学受検で不合格となりましたが、その後通うことになった地元の公立中学校でメキメキと力を発揮し、生き生きと勉強に勤しんでいます。

 

「良い大学を出て、良い企業に入り、その中で年収1,000万円を稼げる人間になる」というツマラナイ目標を早々に確定させるためだけに中学受験するなんて、半端なくナンセンスですし、勿体ない限りです。また、人間の思考回路は、小6前後に「論理的思考」から「抽象的思考」に移行すると言われていますが、これには個人差があって、たまたま移行の早い子どもが中学受験に有利なだけのことであり、その結果自体には何の意味もありません。

 

生きていく上で大切なことは、自分を客観的に評価し、自分で計画を立て、自分で前に向かって進んでいく力です。それらを学べる大きなチャンスである「受検」を塾に委ねてしまうのは、それはそれで勿体ないとも思うのです。

 

自主的に勉強に向き合えないなら、無理して難しい中学に行く必要もないでしょう。それに、勉強だけが人生ではありません。塾に行く代わりに、部活や遊び、旅行などにも目いっぱい青春の汗を流し、自分で精一杯効率的に勉強し、それで中学に合格できたなら、それがムスメSにとっての最適解なわけです。しかも、仮に合格できたとして、その中学に通うのか、地元の普通の公立中学に通うのかも、ムスメS自身が決めれば良いと思っています。

 

親としては、合格に向けて可能な限りサポートしてやるだけのことです。まだまだ純粋な小学生の挑戦に関われる経験は、親として一生の宝物になると確信しています。

 

 

 

ムスメSのスペックと来歴

通っている小学校は、至って普通の公立小学校です。運動系クラブに所属して週1回の活動に熱心に取り組む一方、アトリエ教室やピアノなど、学外の習い事も楽しく頑張っています。学校の宿題に関して、こちらから「勉強しなさい」と言ったことは一度もありません。

 

補助学習

小4の時に本人の希望もあってZ会を始めましたが、5年生になって宿題の多い先生が担任となってからは、添削問題を中心に出来る範囲でこなす程度となりました。6年生も同じ担任となったため、通常の4教科(国数理社)は手を付けず、「公立中高一貫校 適性検査」という科目のテキストと添削問題だけに集中しています。

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今から思うと、小5になった時点で、「公立中高一貫校 適性検査」以外は解約しても良かったなと感じています。宿題の多い担任の方針を信じて学校の勉強に集中した方が、報告書(内申)の点数稼ぎにも記憶の定着にもつながり、一石二鳥です。公立中高一貫校を目指すなら、余分なことには手を出さず、日々の勉強とテストの勉強さえしっかりとこなしていれば、それで十分であると感じています。

 

Z会の「公立中高一貫校 適性検査」は、入試を意識した教科横断型のハードな良問がたくさん扱われていますので、受検の意識を保つのに最適だと思います。特に、考えることが好きなお子さんであれば、ゲームやクイズ感覚で取り組めて面白いんじゃないかと思います(難しい問題もチラホラお目見えしますので、親の助けは必要です)。

 

小学校での成績

担任からの宿題が多いため、たまにブツブツ文句を言っていますが、それにも慣れて宿題を上手く片付けられるようになりました。真面目に宿題に取り組むことができるため、それがテストの結果にもつながり、通知表の成績にも現れています。

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得意/不得意

得意/不得意の差はあまりありませんが、敢えて書くなら、理科 > 算数 > 国語 > 社会、という順番になります。どちらかと言えば理系の頭ですが、計算はあまり好きではないようです。本をよく読みますが、これは、絵本を5千冊以上読んできた成果なんじゃないかと嬉しく思っています。

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その他

工作や手品が好きで、ついついそっち方面に意識が行ってしまうようです。好きでやっていることとはいえ、習い事も忙しく、Z会についてはいつも少々遅れ気味です。適度なタイミングでやんわりと声を掛けるようにしています。

 

中学受検の概要

受検する中学校の入試問題は、適性Ⅰ(国語)、適性Ⅱ(算数+理科・社会)、適性Ⅲ(算数+理科・社会)という3部構成で、いずれも「これを小学生が読むのか !?」と驚くほどに、問題文が長いです。

 

合格を勝ち取る上で大切なのは、以下のような点です。自宅学習において、これらの力を如何にして身に付けられるかがポイントとなります。

  1. 高速かつ効率的に問題を処理できること(問題を解く順番 etc.)
  2. 苦手分野が少ないこと
  3. 凡ミスが少ないこと
  4. 捨て問(特に、算数)を見分けられること

 

ちなみに、うちの地元の公立中学受検では、報告書(内申)の対象は5年生以上であり、合否に占める割合は30%前後です。

 

 

 

今後の学習計画

合格に必要な偏差値、内申、入試の点数など、塾なら当然のように持っている情報が、「塾なし」では手に入れるのが難しい状況ですが、今はインターネットや書籍・雑誌から大抵の情報が得られますし、Z会からの情報も頼りに、模試も上手く活用してデータを分析すれば、情報格差に悩まされることはなさそうです。

 

小6の夏から(難関校の)受検勉強を開始しても間に合う人の特徴として、

  • 普段から勉強をして、テスト・通知表ともに良い
  • 集中力があってたくさん勉強できる
  • 地頭がそれなりに良い

ということがよく挙げられますが、ムスメSはだいたい当てはまりそうなので、夏休みから少しずつ受検モードに入っていけばよいと思っています。

 

公立中高一貫校の場合は、受検勉強もさることながら、日々の生活の中で吸収できるものが多ければ多いほど、効率的に合格に近づけるんだろうと感じてます。ですので、普段は次のようなことに気を配っています。

  • 読書する
  • 文章を書くクセを身に付ける(宿題の日記や200字作文など)
  • 旅行などの計画を一緒に立てる
  • 百科事典やネットで分からないことを調べる
  • 新聞やテレビでニュースを見て意見を交わす
  • 毎日新聞出版の『月刊 ニュースがわかる』を定期購読する
  • 受検する中学校の学校説明会やオープンキャンパスに参加する

 

以下、受験当日までの大まかな学習計画を考えてみました。数字は、優先順位です。あくまでも計画なので、学習の進捗に応じて大きく変わることもあるでしょうね。

 

【夏休みまで】

  1. 学校の勉強
  2. Z会の「公立中高一貫校 適性検査」を進める

 

【夏休み】

  1. 学校の宿題
  2. Z会を進める
  3. 苦手分野の克服(市販の教材 etc.)

 

【9・10月】

  1. 学校の勉強
  2. Z会を進める
  3. 模試を受ける(モチベーション維持や実力把握のため絶対に必要)
  4. 「公立中高一貫校適性検査問題集 全国版」(通称「銀本」)を解く
  5. 200字作文の練習を積む(市販の教材 etc.)

 

【11・12月】

  1. Z会を進める
  2. 目指す中学の過去問に取り組む(間違えた問題は何度か解く)
  3. 模試を受ける
  4. 間違いやすいポイントや試験当日に気を付けるべき点をノートに書き出していく
  5. 「公立中高一貫校適性検査問題集 全国版」を解く
  6. 場合により、単発の「面接講座」の受講を考える

 

【直前1週間】

  1. 基礎を確認する(特に、算数と理科)
  2. 間違いやすいポイントや試験当日に気を付けるべき点を見返す
  3. 模試を復習する(間違えた問題は丁寧に)

 

補足:男女の違いについて

男女平等が当たり前の時代ですが、男子と女子とを集団で分けたときには、やはり男女間で特性や行動パターンが異なります。一般的に、男子には他者との関係性(優劣など)を自覚させ、競争心を適度に煽ってあげると上手くいく場合が多く、一方の女子は、自信を持てるように励ましたりサポートしてあげたりするのが良いと感じています。さらに、教科別の学習方法としては、以下のように男女で分けてみるのも有効です。

 

国語

説明文(論説文)の場合、男子は、全体の構造や段落ごとの主旨を把握しながら読解する。また、設問を先に読んでから本文を読む。女子は、本文の先頭から順に読んで、設問にも順番に答えていく。物語文の場合、男子は、行間から感情を読み取るのが苦手なため、「出来事」「反応」「行動」という段階構造で理解する。

 

算数

男子は、概論だけを説明して、あとは問題をたくさん解かせる。女子は、最初の小問から丁寧に説明し、途中で分からなくなったら、また最初に戻って繰り返す。

 

もちろん、個人差がありますので、上に書いたことが男女で逆転することもあるでしょうから、一人ひとりに合うやり方を模索するのが大切ですね。

 

 

 

つづく

 次は、小6夏休みの「苦手克服学習」のためのドリル(算数の「割合」)について、おススメの教材を紹介します。

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