敏感の彼方に

HSPエンジニアがお送りする、前のめりブローグ

HSP「誰かが困っている『状況』が苦手」な性質のメリット・デメリット

 

HSP とは、病名のことではなく、感受性が生まれつき強く、ちょっとした環境の変化や他人の気持ちにとても敏感なため、五感の強い刺激や他人とのコミュニケーションに圧倒され、すぐに疲れてしまうタイプの人を表す心理学用語です。

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もう何年も前から、「HSP(Highly Sensitive Person)」という言葉は、かなり一般的な用語になってきていますね。検索すれば、関連するサイトが大量に現れます。

 

そんな HSP の提唱者である米国の心理学者 Elaine N. Aron 氏(アーロン博士)のホームページでは、HSP であるか否かを簡単に診断できます。

 

この診断が絶対ではないでしょうし、素人判断は危険なのですが、控えめに診断しても、ボクは余裕で「HSP」という判定になってしまいます。そもそも、5~6人に1人が HSP とも言われていますので、誰が HSP でも不思議はありません。

 

そんな HSP の気質として、「誰かが困っている『状況』が苦手」というのがあります。

 

誰かが困っているのを見掛けると、その困っている人を「助けてあげたい」という気持ちもあるのですが、それ以上に、「誰かが困っている」というその状況自体を受け入れられず、イライラやモヤモヤが募ります。

 

頭で考えてそうなるのではなく、自然にそのような感情が湧いてくるのです。その「誰か」は人間に限らず、動物や昆虫に対しても同じように感じる時があります。

 

この世の中には、「誰か(何か)が困っている」状況が無数に存在するため、そのような状況に出くわすたびに心が削られ、無駄に疲弊してしまいます。とても厄介や気質です。

 

そんな厄介な気質なのですが、そういう性格を持っている以上、それを避けるわけにもいかず、上手く付き合っていくしかありません。

 

そこで、上手く付き合っていくためのきっかけとして、この「誰かが困っている『状況』が苦手」な性質で得したことをまとめてみたいと思います

 

このような性質でお困りの方に、少しでも参考になれば幸いです。

 

 

「誰かが困っている『状況』が苦手」のメリット

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基本的に親孝行(だと思う)

子どもは何歳になっても親の心配のタネだと思いますが、ボクは反抗期らしい反抗期もなく、幼少期から今まで、両親とほぼ同じように接してきています。

 

「誰かが困っている」状況が苦手なわけですから、そもそも自ら「誰かを困らせる」状況にもっていきたいと思いませんし、そうならないように気を付けています。

 

親子関係というのは、切っても切れない深い関係性にあるため、一歩間違えばシビアな状況となってしまいますが、これまでは穏やかで良好な関係を築けてきたと思います。

 

ただ、表面的に「困らせない」ことを優先するあまり、それが逆に重荷となっている可能性もあります。たとえば、「反抗期」がないというのは、親からすれば楽に感じる反面、それはそれで心配にもなるでしょうからね。良し悪しです。

 

争わない

ケンカでも何でも争いごとは、必ず勝者と敗者が生じるわけで、勝ち負けという「困った状況」を生じさせます。

 

そうならないように、争いごとは基本的に避けますので、自分の周りにはいつも平和で穏やかな空気が流れています(た、たぶん・・・)。

 

小中高のころは、人種のルツボたる公立でしたので、無駄にケンカを売られた記憶もありますが(買ってないと思いますが)、少なくとも自らケンカを売るようなことはありません。「困った状況」を作ってしまうだけですから。

 

他人と違う幸運を拾う

学生のころ、いろんなスポーツをやっていました。

 

ある日、あるペアの競技で、「誰と誰が組むか」という話になり、世渡り上手な人は、自分が良い成績を残すため、実力者を上手く取り込んでサッサとペアになりました。

 

ボクは、そういう世渡りが苦手なため、特に自己主張することなく、「余った人」とペアを組むことになりました(相手も、ボクのことを「余った人」と思っていたことでしょう)。

 

ただ、ペア競技というのは、もちろん実力も大切なのですが、プロでもない限りは、ペアの「相性」が結構重要な要素となります。そして、ボクたち「余った人」同士は、結果的にものすごく相性が良くて、世渡り上手な人のはるか上をいく結果を残せたのです。

 

誰かがペアになれなくて「余る」という「困った状況」を見るのがイヤなので、(自分も余るかもしれないのに)自ら積極的にペアを組まなかった結果、たまたま相性の良い人と巡り合えて、ものすごい幸運を拾うことができました。

 

たまたまなんですけど、人と違う HSP 気質の長所を大きく感じた出来事です。

 

 

ビジネスで取引先の信頼を得る

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特に日本のビジネスで不思議に感じるのは、「お金を出す側がエライ」という風潮です。ビジネスに限らず、個人が買い物をする際にもそんな風潮がありますし、最近では、学校に対しても「保護者がエライ」というおかしなことになっています(それを「お・も・て・な・し」と呼ぶおかしな風潮もあります)。

 

B to B や B to C を最後までたどっていくと、お金の出どころは「一般消費者」なわけですから、それに一番近い小売業が一番強い、という状況がここ何十年も続いています。

 

そんな風潮の中、社会人になってよく見かける場面に、こんなのがあります。

 

同じ高校や大学を卒業した2人なのに、一方が買う側(お金を出す側:プライム)、他方が売る側(お金をもらう側:ベンダー)という立場で出会うと、なぜか「買う側」の態度が横柄で、逆に「売る側」がペコペコする、という場面です。

 

別にその個人がエライわけでもなんでもなく、ただ会社がお金を出すだけなのに、「買う側」が一律にエライという態度は、本当に苦手で嫌いです。

 

ボク自身も会社でそのような場面を数多く見掛けましたし、「買う側」として下請け企業などに無理難題をふっかける社内の人間に嫌気がさすことも多かったですね(それが資本主義のビジネスと言えばそれまでなのですが)。

 

そして、そのような「誰かが困っている」場面では、やはり HSP 気質がにじみ出て、自然と相手企業の担当者に助け舟を出したり、両者の仲介役を務めたりして、取引が穏便に進むように出来る限りの配慮を心掛ける自分がいました。

 

些細な気配りでも積み重なると、それはやがて大きな信頼となって、取引先の方々からたくさん声を掛けていただいたり、こちらが困ったときには奔走してくれたり、結果的にすごく助けられる場面が増えました。

 

HSP は、実は結構ビジネス上手かもしれません。

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「結婚」という無茶な制度にも対応できる

高度成長期が終わり、人々がそれぞれの自由を獲得して、さまざまな生き方を選べるようになればなるほど、「結婚」というものが「無茶」な制度に見えてきます。

 

元々は他人である2人が「家庭」という枠にはめ込まれて、ある程度同じ価値観を共有しなければならない制度です。「価値観なんて共有しなくても」と考える向きもありますが、それでは一緒にいる意味などありませんから、そもそも結婚しなくてもいいでしょう。

 

自分の経験から、「結婚」というのは、いかに価値観を共有できるか(歩み寄れるか)というゲームのようなものです。価値観を共有できればこそ、相手を補ったり、相手を助けたり、相手をリスペクトしたりすることができます。たぶん、そこにしか結婚の意味はありません(と、言い切ってしまいます)。

 

ただ、価値観を共有するには、コンニャクのように柔軟で、スポンジのように何でも吸収できる特性が備わっていなければならないのですが、普通はそんなもの持ち合わせておらず、ほぼケンカという「困った状況」に陥ります。

 

そこで、HSP の登場です。このような「困った状況」がとにかく苦手ですから、自分でも驚くほどコンニャクやスポンジに近づいていきます。

 

コンニャクやスポンジになるのは、「自分」を押し殺すことになるわけで、それはそれでストレスになるんでしょうが、それよりも「困った状況」を解消できることに喜びを感じます。ストレスにも勝る、HSP の気質です。

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「育児」という無茶なイベントにも対応できる

目の前にスマホやたくさんの娯楽があり、仕事や人付き合いも忙しく、そんなこんなで時間が貴重になればなるほど、「子ども」というアンコントローラブルで無秩序で時間食い虫的な生き物に付き合うのが億劫になります。

 

「育児」というのは、夫や妻のみならず、子ども自身まで「困った状況」に陥る最も過酷なイベントです。この自由気ままな時代に「育児」という不自由なイベントをはめ込むこと自体、かなり無茶なことですし、かなり覚悟のいるイベントです。

 

でも、状況が過酷であればあるほど、HSP 気質の長所が際立つのです。

 

HSP は、その全力を傾けて、全神経を集中させて、家庭の「困った状況」を解消しようとします。それは、基本的には「困った状況」に耐えられない自分のためなんです。それが結果的に家族のためになるなら、これ幸いですね。

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「誰かが困っている『状況』が苦手」のデメリット

以上は、「誰かが困っている状況が苦手」な HSP 気質によって結果的に得られるメリットですが、もちろんデメリットもあります。

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上に書いたメリットは、基本的にすべて、HSP の「他人に共感しすぎる」気質を背景として、「自分を押し殺す」ことで成り立っているものです。それが自分にとっても割りと普通なので自分ではあまり感じていませんが、ストレスも少なからずあるだろうとは思います。

 

「共感しすぎる」という点では、他人の人生そのもの(成功も失敗も活躍もすべて含めて)が自分の中に入り込んできて、何十人も何百人もの人生を経験しているような感覚に陥りますので、結局自分のやりたいことが分からなくなります。他人の成功や活躍を見て満足できてしまう、と言えるかもしれません。

 

そういう HSP 独特のストレスはあると思いますが、上にも書いたように、自分にとっては普通のことなので、そもそもストレスに感じているのかどうかもよく分かりません。・・・まぁ、デメリットじゃないのかもしれませんね。

 

さいごに

HSP は、その過敏すぎる気質を利用して、群れや集団を外敵や将来の危険から守る「見張り番」の役割を遺伝子レベルで担っている、という一説もあります。

 

実際にはそんなに大したことなどできませんが、せっかく生まれ持った「誰かが困っている『状況』が苦手」な性質ですから、上手く人や社会のために利用できれば、と思う今日この頃です。

 

 

 

 

 

 

 

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