敏感の彼方に

HSPエンジニアがお送りする、前のめりブローグ

フリーランスのスキルと素質「自己ストレス」「生産性管理」「評価愛」

 

フリーランス 適性 タイプ 種類

 

フリーランス・エンジニアとして 10年以上の経験を積んできましたが、その中では、フリーランサーとして数十年の経験を積んでいる人から、わずか数カ月でフリーランス人生にピリオドを打たざるを得なくなった人まで、さまざまなパターンに出会ってきました。

 

今回は、その経験に基づいて、フリーランスに必須と考えられるスキル(素質)を簡単に紹介したいと思います。「プログラミング」のような具体的スキルではなく、フリーランサーとして生き残っていくための本質的なスキルです。

 

 

 

(1)自己ストレス

ストレスの強弱と心の状態(心身の活性度)との関係を表すのに、以下のようなグラフがよく用いられます。

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ストレスが小さい時(グラフの左の方)は、心身がほとんど反応していなかったり、反応していても「退屈」に感じていたりします。それが、ストレスの増大とともに「やる気」となって現れ、あるストレスに至った時、心身の活性度が最も高くなる「快適」な状態が訪れます。そして、「快適」を超えてストレスが大きくなると、次第に「イライラ」が募り、やがて「燃え尽き」の状態に陥り、行き過ぎると「うつ」状態になります。

 

つまり、人間は、ストレスが小さすぎても大きすぎても居心地が悪く、ある程度の負荷(ストレス)が与えられている状態を「快適」と感じ、そのような状態にあってこそ成長も可能となるわけです。

 

サラリーマンであれば、会社で上司や同僚、部下から受ける適度なストレスによって、「やる気」「成長」が引き出されます(ストレスが強すぎるブラック企業では・・・)。

 

一方のフリーランサーは、その名の通り「自由」な働き方ですから、ストレスが限りなくゼロに近づきます。そうすると、「やる気」→「退屈」→「無反応」となって、廃人への道をまっしぐらに進んでいくことになります。

 

そうならないように、フリーランサーというのは、自分で自分にストレスを掛け続ける必要があります。

 

でも、これは至難の業です。というのも、フリーランサーというのは基本的に、誰かに監視されているわけでもありませんし、誰かに𠮟咤激励されるわけでもありません。そのような状況において、自分を鼓舞し続けるというのは、かなり難しいことです。

 

なので、成功しているフリーランサーは、家族を持ってその家計を担っている人が多いように思います。家族に対する「責任」を持つことで、自己ストレスの仕組みを作っているんですね。そういう人は、家族をとっても大切にする傾向も見られます。

 

まずは、勉強でもスポーツでも何でも良いので、自分をとことん追い込んだ経験があることが前提になります。その次に、何らかの「責任」を果たす強い意志も必要です。その上で、責任を果たすべき対象(家族 etc.)を持つことにより、自己ストレスを維持することができます。長く成功するには、そういう仕組みが大切だと思います。

 

(2)生産性管理

企業の場合は、最低賃金を高くすれば、生産性も自然に高くなる、という言説もあります。

toyokeizai.net

 

でも、フリーランサーに限っては、生産性を高くしないことには収益も上がりません。上に書いたように、適度な自己ストレスによって、生産性を高く維持し続ける必要があります。

 

ただし、ここで「生産性管理」を掲げた理由は、生産性を高くする方向はもちろんのこと、生産性を抑える方向も必要であることを言いたいがためです。

 

フリーランサーは、成果を上げようとするモチベーションと、労働時間を短くしようとするモチベーションとが作用する結果、「生産性 = 成果 ÷ 時間」がサラリーマンと比べものにならないほどのレベルに達する場合もあります。つまり、「生産性向上」という麻薬が、中毒となって悪影響を及ぼし始める可能性もあるわけです。その点については、以下の過去記事にまとめていますので、興味のある方は読んでみてください。

www.overthesensitivity.com

 

(3)評価愛

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お金が最も重視される「貨幣経済社会」に対して、現在は、Instagram や Twitter 等のフォロワー数が重視される「評価経済社会」であり、評価さえ稼いでおけば、お金はあとからいくらでもついてくる、と言われています。

 

フリーランサーもその点は同じで、「お金」よりも「評価」を愛することが、長続きするコツと言えます。たまに、金の亡者のようなフリーランサー(インフルエンサー)を見掛けますが、とても長続きするとは思えません。

 

それは感情論で言っているのではなく、ちゃんと理屈があります。

 

上に書いた式「生産性 = 成果 ÷ 時間」で考えると、お金を稼ぐということは、生産性を追求することです。その際、まずは成果を上げようとするのですが、それが頭打ちになると、今度は時間をとことん削ろうとする意思が働きます。すると当然、品質が徐々に落ちていきます。品質が落ちると当然、客が徐々に離れていきます。このような姿勢では、フリーランサーとして長くやっていけるはずがありません。

 

客が期待しているのは、「オタク」のようなフリーランサーです。お金なんかよりも、自分の専門分野について、自分の納得できる製品(アウトプット)しか世に送り出さない、という気概を持ったフリーランサーです。そういうフリーランサーであれば、客側としても手放したくないため、お金はしっかりとついてきます。

 

フリーランサーの側としても、そのような客の期待に応えるため、評価「命」が肝要です。

 

 

 

まとめ

成功するフリーランサーに必須のスキル(素質)を経験に基づいて考えました。

  1. 自分で自分にストレスを掛け続けられる能力
  2. 生産性を適度にコントロールできる能力
  3. 「お金」ではなく「評価」を愛せる能力

 

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