敏感の彼方に

HSPエンジニアがお送りする、前のめりブローグ

【緊急事態宣言】休校の小学生にヒマを与えず教育格差も乗り越える方法

 

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新型肺炎(新型コロナウイルス)の影響で、我が町の公立小中学校も、4月10日(金)から5月6日(水)までの休校が決定となりました。週に1~2日程度の登校日は設けられる模様ですが、3月初旬から始まった休校と合わせて、およそ2ヵ月という、夏休みさえもラクラクと超えてしまう長期休暇となるわけです。

 

子どもたちは、3月の休校当初こそ喜んでいましたが、友達と毎日は会えず、刺激も少ない日々に、さすがに嫌気が差してきているようです。親としても、心配があります。

  • 生活が乱れてしまい、休校明け後に元気よく通学できるのか?
  • 2ヵ月の学習ブランクで、知力・体力ともに劣ってしまうのではないか?

 

「中国 → アジア → 先進国 → 新興国」というウイルス蔓延の流れを見るにつけ、「収束し始めるのは早くても5月中旬だろう」と自分なりに予想していましたので、3月の休校当初から、かなりの長期戦を覚悟していました。実際には、半年経っても1年経っても収束しないだろう、という予測もあります。誰にも分かりません。

 

いずれにしろ、子どもの成長という観点では、事態が長引けば長引くほど、影響は深刻化していきますので、3月の最初から危機感を持って、上に書いたような心配を吹き飛ばすべく、対策を考えました。

 

具体的には、毎日(平日)自宅で取り組むことを時間割にして、それを子どもに託したのです。この春から小学3年生となったムスコNは、ときどき脱線しながらも、時間割をかなり忠実に守って、この1ヵ月を健康的に過ごすことができました。

 

最初の1ヵ月で「時間割制」の有効性を確認できたので、これから5月6日(水)までの1ヵ月も、同じように過ごしていく予定です。そこで、この1ヵ月をどのように過ごしてきたか、備忘録としてまとめておくことにしました。

 

人間というのは思った以上に、決められた時間割を守ろうとする生き物ですし、「時間」という制約にある程度縛られることを気持ちよく感じる生き物です。ただし、子どもは大人ほど自制心が働かないため、どうしても脱線しがちになります。そうならないようにする仕組みも併せて導入しましたので、その成果を最後の方に記します。

 

 

 

起床

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早起きは、健康的な生活を送るための基本中の基本です。特に、生活習慣の安定しない子どもにとって、毎日決まった時間に早起きすることは、何物にも代えがたい習慣です。時間割制を導入する大前提となります。早起きしないのであれば、時間割制の効果も半減してしまうでしょう。それぐらいに大切なものだと思います。

 

早起きと言っても、ムスコNは、7時~7時30分の間に起床しているだけです。平日は、できる限り同じ時間に起きるようにします。これぐらいの時間に起きようと思えば、夜は必然的に、21~22時に就寝することになります。早寝早起きの完成。

 

その代わりに、週末は、ある程度の夜更かしや朝寝坊を楽しんでもらいます。普段、規則正しく生活するからこそ、たまの夜更かしや朝寝坊が嬉しく思えるのです。そういうギャップやメリハリって、子どもに限らず大人にも当てはまることでしょう。

 

学活・生活(7:30 ~ 8:30)

着替え・洗顔・朝食・歯磨き・・・この4点セットは、絶対に外せません。これらを欠かさず繰り返すことで、それが習慣となって、1日のスイッチがONになります。

 

朝食も、時間を掛けてゆっくりと、優雅に楽しみます。先に食事を終えた姉たちがピアノの練習をするため、その音色を聴きながら、貴族のような食事を楽しんだりします(メニューは、ごはん🍚と味噌汁だったりしますが・・・(*'▽') )。

 

歯磨きを終えたら、その日にやることを軽く確認した後、家事を手伝ってもらいます。ムスコNは、お風呂掃除の主担当です。低~中学年の子どもに一番任せやすい家事ですね。

 

ただし、大人でもそうですが、同じ家事ばかりでは飽きてきますので、たまには、ゴミ出しを担当してもらったり、食器洗いを手伝ってもらったり、洗濯を補助してもらったり、床の拭き掃除をしてもらったりと、ローテーションします。たったの1ヵ月で、家事力が劇的にアップします。細かいことは言いません。自分であれこれ工夫する楽しみを覚えてもらいます。

 

子どもなので当然、気分の浮き沈みはあります。それに合わせて、家事をやりたくない日もあります。そんな日は、無理させません。ボクとツマで分担します。

 

ちなみに、家事をやってもらうには、子どもをその気にさせなければなりません。その方法については、以下のような過去記事にまとめています。

www.overthesensitivity.com

 

1時間目|国語(8:30 ~ 9:30)

学校から宿題として渡された国語のプリントなどをこなします。緊急事態宣言後の休校に際しても、学校から課題を渡されるでしょうから、それらを淡々とこなしていきます。

 

ただし、これだけではすぐに終わってしまうので、ツマが、小学2年生の漢字ドリルをベースに、復習用の漢字問題を作成してくれました。数十ページにわたるものですが、これを1日に1~2ページずつ、じっくりと丁寧に進めていきます。決して急ぎません。漢字を覚えられる上、漢字をきれいに書く習慣が身に付きます。

 

それでも時間が余る場合は、やっぱり読書です。活字慣れや読解力の基本です。動画全盛の今だからこそ、活字慣れして読解力を身に付けておくことが差別化につながります。

 

3月の休校当初に、冒険ファンタジーとして小学生に大人気の「マジック・ツリーハウス」を渡してみたところ、最初は活字慣れするのに時間が掛かりましたが、1巻を読み終えるころからストーリーや文章に慣れてスムーズに読めるようになり、そこからドはまりしました。

kids.mediafactory.co.jp

 

現在の最新刊は、47巻となっています。2~3日に1冊のペースで読み進めていますので、まだまだたっぷりと残っています。シリーズ物は、いったん気に入れば何も考える必要がないため、とってもラクです。

 

2時間目|体育(9:30 ~ 10:10)

新型 肺炎 コロナ 緊急 事態 休校 小学生 教育 学習 格差

家の前で、なわとびやサッカーのリフティング練習、壁とキャッチボールなどをします。姉たちが付き合ってくれることも多く、バドミントン、フリスビー、バスケット、長縄、鬼ごっこなどをして過ごします。近所のお友達が参加してくる場合もあります。

 

雨の日は、リングフィット アドベンチャー -Switchのお世話になります。

 

中間休み(10:10 ~ 10:30)

おやつを食べたり、ほのぼのしたり、好きなことをしたり、です。

 

3時間目|算数(10:30 ~ 11:30)

算数についても、まずは学校で配られたプリントをこなしていきます。ただし、ムスコNは算数が得意科目なので、すぐに終わってしまいます。

 

そこで、計算ドリルを購入したり、先取り学習用の参考書を買ってみたり、ということを考えたわけですが、そもそも算数が得意なので、学校でやるようなことは、復習も予習もあまり意味がないのではないかと思います。どうせ学校では習うわけですから。

 

それよりも、学校でやらないような、頭をやわらかくするような問題を、と考え、Z会の「思考力ひろがるワーク」を購入しました。算数のみならず、漢字の問題であったり、読解力が必要な問題であったり、クイズやパズルのような問題であったり、50個の良問に、ムスコNは目を輝かせて取り組みます。さすがはZ会!

 

この(↑)「標準編」は、小3~小5が推奨学年となっていますが、ムスコNは割りと考えることが好きなので、小2の段階でも一部を除いてサクサク進めていました。問題文が長くても、一緒に読んで説明してあげれば、問題自体は解けるようです。学校で習っていない漢字などの問題が1~2割混じっていますが、これらは飛ばして進めています。

 

ちなみに、「標準編」の手前には、小1~小3用の「基礎編」があり、その手前には「入門編」もあり、学習の得手不得手に合わせていろんなレベルの問題が用意されています。

www.zkai.co.jp

 

4時間目|ゲーム(11:30 ~ 12:00)

香川県で先日、全国初のゲーム依存症に特化した条例として、「ネット・ゲーム依存症対策条例」が議会で可決され、4月1日から施行されています。賛否両論ありますが、これはこれで先進的な取り組みとして良いんじゃないかと思います。この条例の結果、香川県以外の自治体との比較として、子どもの学力や体力に差が生じるのかどうかが分かれば、それだけでも有意義です。

 

ただ、だからと言ってスマホやゲームを完全に切り捨ててしまうのもどうかと思うわけです。ゲーミフィケーションが社会に浸透する中では、スマホやゲームから子どもを隔離するのではなく、適度な距離間で付き合っていくのが正解だと信じています。

 

なので、ゲームも授業の1つとして取り組みます。時間はしっかりと制限します。

 

昼休み(12:00 ~ 13:00)

ランチで午後の英気を養います。

 

5時間目|プログラミング(13:00 ~ 14:00)

こちらもZ会のお世話になっています。レゴ(LEGO)と Scratch を使ったプログラミングの通信講座です。ちょうど3月の休校開始直後に初回の教材が届きました。

www.zkai.co.jp

 

Scratch を使用する最初の勘どころは教えましたが、その後は、小学校で Scratch を使った経験のある姉の助けを得ながら、自分で進めていきました。

 

初回は、Scratch でモータを制御してロボットを前進させるだけの簡単なプログラミングですが、センサー用の命令や if 文の使い方を教えてあげると、付属の赤外線センサーも組み込んだ別のロボットを組み立て、さらに、そのロボットに紙製のほうきを取り付けて、壁にぶつからずに自律走行するお掃除ロボットを自分で作っていました。

 

その後も、化け物みたいな動きをするロボットを作ってみたり、付属の色センサーや感圧センサーも試してみたり、ちょこちょこイジっているみたいです。上手くいかなくても、粘り強く考えて、失敗しても良いからまずは動かしてみる、という姿勢が身に付きました。

 

6時間目|自由時間(14:00 ~ 16:30)

本人の自由裁量に任せています。

 

5時間目のプログラミングを引き続きやっている場合もありますし、天気が良い日は、学校近くの大きな公園で友達と走り回ったり、近所の友達とボール遊びをしたりしています。雨の日は、自宅で読書をしたり、Z会のワークをやってみたり、動画をみてマジックの練習をしたり、自分で材料を集めて工作に勤しんだりしています。ゲームも、時間を守ってやるなら O.K ということで、比較的自由にやってもらっています。

 

7時間目|英語・音楽(16:30 ~ 18:00)

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英語と音楽の習い事に、週1回ずつ通っています。

 

英語と言っても、文法や単語をひたすら覚える教室ではなく、幼児から大学生までが一緒になって、日本語と英語で創作劇を作って披露するものです。英語塾というよりは、コミュニケーションや多様性、アクティブラーニングを学ぶ場です。

 

音楽は、本人の希望でギターを習っています。

 

時間割どおりに取り組む仕組み

以上のようにして、ムスコNの長い長い一日は過ぎていきます。

 

上にも書いたように、基本的には親が口出しすることなく、ムスコNが自主的に進めていけるように、時間割を書いて見えるところに貼り出してあります。比較的早い時間に起きて、ぎっしりと詰まった時間割を消化していきますので、夜21時にもなれば、瞼が自然と重くなり、健やかな眠りにつくことができています。そして、翌朝にはパッチリと目覚める好循環が続いています。

 

とは言え、やはり子どもは子どもですので、自主性に任せておくだけでは、脱線していってしまいます。そこで、時間割をできる限り自主的に消化していけるように導入しているのが、「ポイント制」です。

 

単純なことで、家事を1つやったら1pt、Z会のワークやツマが作った問題集を1ページやったら1pt、本を一冊読んだら5pt、面白いロボットが作れたら5pt、将棋でボクに勝ったら10pt など、ポイントを貯めていって、それが一定数に達したら、欲しいものを買ってもらえる、という仕組みです。

 

「ポイント制」というと、「ご褒美がなければ動かない子どもになってしまう」という懸念も当然ありますが、そうならないように、一応の工夫はしています。

 

ポイントは自分でつける

ポイントカードを作って渡しました。それにポイントを書き込んでいくのは、ムスコN自身です。たとえばお手伝いをした後、ポイントを書くのを忘れていても、こちらからは言いません。ポイントが欲しいなら、それは自分の責任です。

 

様子を見ていると、Z会のワークや読書の後、ポイントをつけ忘れていることがままあります。こういうのを見ると、ポイントのためにやっているというよりは、自分がやりたいからやっているようにも感じられ、うれしくなります。

 

少しだらけてきた様子の時には、ひとこと「ポ・イ・ン・ト」と耳元でささやけば、シャカシャカ動き出す場合もあります。悪魔 👿 のささやきですねー 💛

 

目標は 300 pt

欲しいものを買ってもらえる目標ポイントを、「300 ポイント(!)」に設定しています。お手伝いやワークでは1pt しか貯まりませんし、今のところ、ボクに将棋で勝てる見込みもありません(やる気を無くさないように、いつもギリギリで負けるようには配慮していますけどね)。なので、はるか彼方の目標です。

 

そんな、はるか彼方の目標でも、コツコツと貯めていける忍耐力が育つのなら、「ご褒美がなければ動かない」という欠点ぐらいは相殺されてしまうでしょう。

 

どうせ無理だろうと高を括っていましたが、意外にも粘り強く、つい先日 100pt を超えました。300pt を超えてくれるかどうか、こちらの方が楽しみになってきました。

 

 

 

さいごに - 「時間割制」の利点

以上のように基本的な時間割を決めていますが、その順序は自由に入れ替え可能ですし、「今日はとことん読書をしたい!」という日があれば、一日中読書をしてもらっても良いことにしています。1週間~1ヵ月単位で全体のバランスが取れれば良い、と伝えてあります。

 

また、時間割を守れなくても、ガミガミと事細かに指摘することもありません。たまに脱線している時に、軽く声をかける程度です。ポイント制の効果もあるでしょうが、それ以上に、親と相談して決めた課題をクリアしていくことをゲーム感覚で楽しんでおり、それがすっかりルーチン化されているようです。

 

以上、「時間割制」の導入によって、3つの利点を実感しています。

  • 健全性: 早寝早起きは、すべての基本
  • 計画性: 自分で時間割を組み替えたり、時間管理したり
  • 自主性: 親に言われる前に動く

 

こんなふうに、休校の小学生に暇を与えず、教育格差も乗り越えられるように、日々楽しみながら過ごしています。新型肺炎(新型コロナウイルス)による悪影響を嘆いてばかりいても仕方がなく、逆にうまく利用して、子どもの健全性・計画性・自主性向上に役立ててやろうと思っています。

 

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